ーー最近の代位弁済の状況はいかがですか。
山谷 ここ数年は、年間80億円から100億円程度の代位弁済がありました。昨年暮れころからジワジワと増えてきた感じがあります。しかし、コロナが発生して代位弁済が増え始めたという感じではありません。支援制度が動き出すと、金融機関も厳しい取引先に代位弁済を強く勧めなくても良いという判断をしているのではないでしょうか。
ーー雇用調整助成金や持続化給付金なども支援策としてあります。
山谷 こうした補助金、給付金の支給には時間がかかります。いくら手続きを簡素化しても一人ひとりチェックしてその足し算で一企業当たりいくらという計算をするので、どうしても時間がかかってしまう。補助金、給付金支給までに企業は繋ぎ資金が必要になるケースもあります、私の実家は洋品店の商売をしていましたからよく分かりますが、商売をしている人にとって、数ヵ月先に入るお金があるから安心だという人はほとんどいないでしょう。日銭が止まった瞬間に、どうするかと考えるのが常です。商売をしている事業者にとって目の前にお客が来ない不安感はものすごく大きい。保証付きの資金手当てが付き、ひとまず安心できるということが危機を乗り越える原動力になると思っています。繋ぎ資金として使ってもらうことも含めて、とにかく即時対応が大事だということです。
ーーアフターコロナ、ウィズコロナと呼ばれる時代、北海道の景況をどう見通していますか。
山谷 厳しい経済状況が続くと思います。世界的なパンデミックが収まって人の行き来ができるようになるには、相当な期間を要するでしょう。北海道の経済が元に戻ると期待するのは難しく、新しい生活様式に対応した経済に移らざるを得ないでしょう。苦しい中で出てくる知恵やアイデアが次のステップに結び付いていき、生産の国内回帰というトレンドの中で北海道に対応できるものが出てくるかもしれません。将来の芽やチャンスをどう生かし、次の経済に繋げていくか、経済団体が中心になって議論することも必要ではないでしょうか。当協会の保証には、創業支援もありますからこういった面でのサポートも進めていきたいですね。
ーー本日はありがとうございました。