コロナ禍による売り上げ減少が中小・小規模事業者の経営に大きなダメージを与えている。北海道信用保証協会は、こうした経済危機に対応した制度融資の保証や借入金の最適化、借入先の経営サポートなどを実施する金融インフラの一つとしてフル稼働を続けている。保証件数、保証承諾額ともにリーマン危機の同期間を超え、さらに増える見通し。同協会の山谷吉宏会長に、保証の動向などをインタビューした。〈やまや・よしひろ氏…北海道室蘭市出身、65歳。早稲田大学政治経済学部卒、1980年4月北海道庁入庁。2010年4月総合政策部地域振興監、11年6月環境生活部長、12年4月経済部長、13年4月副知事、18年3月退任。同年7月北海道信用保証協会会長就任〉

 ーーコロナ関連制度融資の現況はどうなっていますか。

 山谷 コロナの影響で売り上げが大きく減少している事業者に関する支援制度が動き始めて3ヵ月になりますが、3月から直近までのコロナ関連の保証件数は1万2707件、保証金額は2558億6300万円です。リーマンショック後の3ヵ月間は7848件、1424億7400万円だったので、もうリーマンショック時の保証承諾額を超えました。リーマンショックでは影響を受けた業種がある程度限られていましたが、今回は飲食、卸・小売、観光・宿泊、建設、製造と全業種に及んでいます。どれだけ保証申し込みが上がってくるのか、現時点では見通せません。リーマンをはるかに超えた規模になるのではないでしょうか。

 保証は全国統一のシステムになっているので、保証制度を当協会が単独で決めることは難しいのですが、一昨年の北海道胆振東部地震の際に、何とか早期に支援したいということで作った独自の枠組みがあります。災害時の緊急短期資金保証がそれで、胆振東部では約1400件、約150億円の利用がありました。制度としてはそれで一つの役割を果たしましたが、万一、これから先に災害があった場合、すぐに立ち上げられるようコンピューターシステムにその枠組みを残しておいたのです。そこに今回のコロナ問題が発生しました。政府は、1月28日に新型コロナウイルス感染症を指定感染症と定めたのを受けて、緊急短期資金保証をこのシステムを使って立ち上げました。

 ーーコロナ関連制度融資にはどのようなものがありますか。

 山谷 緊急短期資金保証のほかに保証は大きく3段階で組み立てられていて、一般保証の枠は担保があれば2億円、担保なしで8000万円が上限です。その他にセーフティネット保証があり、災害時に適用する第2段階と言えるものです。それも2億円と8000万円。道内の中小企業では、胆振東部地震の際に第2段階のセーフティネット保証を使った企業がかなりありました。今回のコロナ対策で資金繰りに困ってもそういう企業は借り入れ枠が十分にはありませんでした。その場合、当協会は借り入れの組み換えなども提案して、新たにセーフティネット保証を利用できるようにお手伝いしてきました。こうしたことができたのは、2018年に信用保証法が改正になって協会業務として経営支援が入ったからです。代位弁済機能だけでなく、代位弁済にならないよう利用企業の経営に踏み込み、必要に応じて専門家を派遣して経営のお手伝いをするようになったからです。

 これまでに融資枠を使っていると新たな借り入れには組み換えなどが必要でしたが、第3弾の危機関連保証が始まり、別枠で使えるようになりました。各企業とも先々を見通すと運転資金など厳しい局面が予想されるため相談件数も増え、現在までにコロナ関連で約3万4000件の相談がありました。



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