「キテネ食品館」中塚誠代表取締役インタビュー、「月寒店出店の狙い、大手スーパーとの戦い方」

流通

(写真は、「キテネ食品館月寒店」の出店場所)

 ーー「ロピア」が北海道に進出したり、イオン北海道が道内の西友店舗を承継したりするなど、スーパー業界に変化が生まれようとしています。5年先、10年先を見据えて、どういう生き残りを考えていますか。

 中塚 当店のようなスーパーは、生き残っていける余地があると思います。お客さまが買い物に行った時に、楽しめるお店と、そうではないお店があります。大手スーパーの店舗MD(販売政策)は、似ている部分が多くて、例えば冬になれば同じような鍋モノばかりで、私は正直あまり面白さを感じない。当店は冷やし中華のつゆを100円で売って、北海道の文化とも言えるラーメンサラダに使ってもらおうとか、いろいろな提案ができます。大手スーパーだけになってしまったら、当たり前のモノしかなくなって、当たり前ではないモノの行き先がなくなってしまう。その受け皿がないと、フードロスなどが新たな問題が発生してしまいます。

 スーパーで当たり前ではない特徴を出すためには、当たり前ではないモノが必要です。そういう局面で、私たちのようなスーパーの手腕が発揮できると思います。それ以外にも、SNSのような新しい販促手法は、まだまだ広がっていくと思います。発信ツールとしてSNSを上手に活用することによって、店舗にかかる経費も削減できるようになります。「キテネ食品館」のSNSを多くの人たちに見てもらえることに、「まだまだやれる」という手応えを感じています。

 ーー仕入れ面は、主にどこからですか。

 中塚 基本的には、先ほどの全日本食品です。同時並行で、「マルコストアー」の山川さんと一緒に仕入れたり、分けてもらったりしています。あとは、個別に当店だけで仕入れている先もあります。札幌Twitter会というのがあって、そこにはさまざまな業種の人がいますから、その繋がりから仕入れたりすることもあります。

 ーー「キテネ」のネーミングとロゴマークも印象的です。

 中塚 手稲駅周辺の再開発で「松井ストア」の店舗名から新たな店舗名にしようと、一般公募したそうです。応募の中から、「手稲に来てね」をもじった語呂が面白いと、選考委員の人たちが「キテネ」に決めたと聞いています。ロゴマークとその色合いも、その時につくったもののようです。月寒への出店に際して、店舗名をどうするかと他の法人トップたちと話し合ったのですが、「キテネ食品館月寒店」で全員一致しました。

 ーー最後に、「月寒店」をどのような店舗にしたいですか。

 中塚 「手稲店」もそうですが、家の冷蔵庫代わりに使ってほしいというのが一番です。その日の食材を買うため、次の日もその日の食材を買うためのように、毎日来店してもらいたい。もちろん、私がSNSで「キテネ食品館月寒店」の魅力を毎日発信していきます。(終わり)

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