ーーデリカセンタ―と食肉センターの稼働状況はどうですか。
今野 2018年に北斗市の水産珍味の加工工場跡を取得することができました。築20年あまりですが、建物はしっかりしており、事務所スペースもあったので2018年5月に本社を移し、10月にデリカセンターを稼働させました。翌2019年10月には食肉センターも開設しました。
デリカセンターからは、弁当類、生寿司、おにぎり等を店舗に供給、食肉センターからはスライス肉、しゃぶしゃぶ肉、挽肉等のパック品を店舗に供給しています。センター化によって少ない人数で店舗運営ができるようになり、店舗売上げが減少しても、店舗を存続できる道が開けました。
ーーアークスグループ各社からセンターの視察もあるようですね。
今野 当社の生鮮センターは居抜き物件をセンターに模様替えしたことや、機械設備なども大掛かりではないので、ローコストで運営できております。アークスグループ各社がローコストでセンターを作る際の参考になるというので、視察が増えています。
ーー道南地区でも人手不足だと思いますが、センター要員の募集は順調だったのですか。
今野 センターは夜間に生産ラインを動かすので、2018年に稼働した当時はなかなか人が集まりませんでした。しかし、コロナ禍になって夜間に飲食店などで働いていた人たちの仕事が減ってしまったことから、当社へ多数の応募がありタイミングよく人手を集めることができました。センターでは現在、デリカで50人、食肉で50人の体制です。また、ミャンマーからの外国人技能実習生6人が実習研修しています。
ーーセンター製造と店舗のインストア製造の比率は、どのくらいですか。
今野 デリカの寿司・米飯類のセンター製造比率は約5割、食肉は4割くらいです。水産はまだセンター化していませんが、今年8月に閉店した「ラルズマート日乃出店」(函館市)跡を水産センターにする予定でおります。これまでデリカ部門では店舗で開店前に弁当類を作るのが、手間が掛かり大変な作業でした。センターから弁当類が供給されるようになったので、店舗は揚げ物等の製造に集中することができる様になり、人員が少なくても対応でき作業も楽になっています。開店時の品揃えも良くなりました。
ーー今後の店舗リニューアルや新規店舗については。
今野 2019年に「スーパーアークス日吉店」、2022年は「スーパーアークス千代台」をオープンさせたので、まずはこの2店舗を軌道に乗せることが最優先です。「スーパーアークス港町店」、「スーパーアークス戸倉店」はオープンから15年ほど経過しているので、「スーパーアークス千代台店」での成功事例を取り入れて、「便利で、おいしく、楽しくなる店」に改装したい。一人暮らしのお年寄りから大勢が集まるハレの日の食卓まで、幅広いニーズにお応えできる店にしたいと思っています。