ーー今年度は地域の課題解決がテーマだった。来年度のテーマは。

 大見 単年度で地域の課題解決はできないから、引き続き対応する。行政の課題をどう解決していくかという中で、食に関連する分野の一つとして様似郡様似町の小中学校などに向け、「様似スクールランチ事業」を手掛けることができた。今後は愛別町、初山別村でも始まる。さらに4~5件ほど問い合わせが来ている。

 ーー2007年6月に理事長就任、15年が経過する。後継者問題はどう考える。

 大見 そろそろ若い世代にどう引き継ぐかを具体化していかなければならない。当然のことだ。40代には優秀な人物がいっぱいいる。いきなり20歳くらい若くして入れ替えることもあり得る。あと4~5年でそうなったらいい。協同組合のトップはある程度長くやらないと事業が繋がっていかない。私は、小売業同士の競争をしてもレッドオーシャンなので経営再建はできないと判断した。生協の事業は、北海道から出ていくことができないためバーチカルインテグレーション(垂直的統合)、コングロマリット(複合組織体)化していくしかないと考え、手を打ってきた。すべてを組み換えていかなければ持続可能な組織にはなれない。私たちは2007年に全道の生協が統合して壁を取っ払ったので、できることが広がった。

 ーー大学の客員教授でもある。

 大見 関西大学のデータサイエンス学科の客員教授を昨年務めた。日本の小売業で20年以上前から取引先との間でデータ分析の事業を実践しており、その実績から客員教授に招聘された。今年度は、小樽商大の特任教授として地域経済論とビジネススクールの科目を担当する。まさか、60歳を過ぎて大学教授の話が来るとは思わなかった。北大教育学部卒業時に大学に残りたいと先生に言ったら、「君は残らない方が良い」と言われた。結果的にそれが良かったのかもしれない。(終わり)



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