国分北海道・諏訪勝巳社長インタビュー「北海道で80年の歴史生かし、新しい食の価値を創造」

流通


 ーーメーカーの特殊な技術を掘り起こしていくのも卸の力ですね。

 諏訪 当社にはそういう目利きができるマッチング力があって、それがうまく発揮できていると感じます。北海道にはいろんな素材がありますが、まだまだ埋もれているものが多い。そういう意味では11次長計の一つのテーマでもある『深化と探索』というテーマが生きてきます。この時期、窮地に立たされているメーカーさんもあるわけですから、少しでも還元できるような形をつくり、北海道経済の活性化に繋がれば良いと考えています。

 ーー今後の設備投資について。

 諏訪 これから投資計画を詳細に詰めていきますが、物流拠点の中には老朽化しているところもあるので、物流改変をまず進めていきます。釧路、帯広は新しくしたので今後、道央圏の物流拠点の更新投資をしていく考えです。

 ーー今年1月1日に新社長に就任されましたが、抱負を聞かせてください。

 諏訪 一つの仕事を前にして立ち止まることなく行動して結果を出していく会社の雰囲気をつくっていこうと思います。それが失敗という結果になっても、どんどんチャレンジするような社風にしたい。コロナ禍で行動できない苦しみがありますが、普段通りに行動できるようになった時、すぐ動けるように入念に準備しておきたい。

 ーー好きな言葉、モットーはありますか。

 諏訪 モットーは、『行動しなければ始まらない』です。この言葉通り、私自身はこれまで動き回っていました。24年前に国分に入社して2年半は、国分北海道支社に勤務しました。その時は百貨店、一般酒販店、GMS(総合スーパー)の酒類も担当しました。その後、東京に転勤し酒販店、量販店、ドラッグストアを中心に担当を経験しました。09年からは営業責任者として郡山支店で働きました。ちょうど東日本大震災と重なり、物資の供給に苦労した思い出があります。当時の郡山支店には、倉庫に併設してガソリンの備蓄もあったので、それを使ってメーカーに商品の引き取りを行って小売店に商品供給を続けました。問屋として商品をお届けする大切さを身に染みて感じたのが、郡山支店の課長時代でした。
 そこに6年半いて、東京に戻り営業担当支店長として戻り、CVS(コンビニエンスストア)の営業の責任者として4年半務めました。今回は、四半世紀ぶりの北海道勤務ということになります。

 ーー故郷北海道に対する期待を聞かせてください。

諏訪 今でもそうですが北海道は食料生産の基地です。何年か後には、北海道が食料の最大サプライヤーになると思います。私が北海道にいた頃、おコメはあまり美味しいとは言えませんでしたが、今やおコメの品質は全国一になりました。量、質ともに食の一大産地になるのは確実でしょう。当社としても青果を含めた様々な道産品の取り扱いもどんどん進めていきたい。これと両輪で、道内のお客さんを活気づけるためにも、あらゆる方々が再び北海道に来てもらえる環境づくりを支援していきたい。(この稿終わり)

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