国分北海道(本社・札幌市中央区)が、2016年1月に国分グループ本社(同・東京都中央区)のエリアカンパニーとして発足してから5年、2代目社長に諏訪勝巳氏(前・国分グループ本社流通事業部長兼営業二課長、50)が今年1月に就任した。コロナ禍で外食向け比率の高い同社は20年12月期で厳しい決算となったが、今年は国分が北海道に営業拠点を設けて80年の節目の年。これを機にウィズコロナ、アフターコロナを見据えた第11次長期経営計画もスタートさせ、「地域密着の全国卸」として地域のメーカーとの共同開発にも一層力を注ぐ考えだ。そこで、諏訪新社長に80周年事業の中身や第11次長計の骨子、就任の抱負などを聞いた。《すわ・かつみ》…1970年6月生まれ、釧路市出身。釧路湖陵高校から94年3月北海学園大学法学部卒、同年4月国分入社。東北支社営業課課長や国分グループ本社流通事業部営業課長などを経て2019年1月流通事業部長兼営業課長、同年3月流通事業部長兼業務課長、20年3月流通事業部長兼営業二課長、21年1月執行役員経営統括本部付部長兼国分北海道社長執行役員。高校、大学時代はハンドボール部に所属し国体に出場した経験を持つ。
ーーコロナ禍の中、2020年12月期の業績はどうでしたか。
諏訪 コロナ禍で巣ごもり需要が増えていますが、当社の場合は外食向けの取り扱い比率が高く、全国の国分グループカンパニーの中でもそのウエートが高い特徴があります。核となる酒販事業は飲食業、観光業など業務用が売り上げの35%を占めており、コロナ禍のダメージを大きく受けました。好調な巣ごもり需要があっても全体をカバーするには至っていません。19年12月期の売上高は約960億円でしたが、20年12月期は約870億円と残念な結果で終わってしまいました。
ーー今年から新しい長期経営計画がスタートしています。
諏訪 今期から5ヵ年の第11次長期経営計画をスタートさせています。この計画は当社の幹部だけで策定したのではなく、小売系や外食系、観光系、イベント系、酒販店系の各部署の若手リーダーやエリアごとにある4つ支社の意見も集約してまとめました。戦略領域として、①量販事業②フードサービス③観光・リゾート④フレッシュ青果⑤海外⑥製造卸事業⑦物流事業の7つを掲げており、アフターコロナ、ウィズコロナを見据えて、『北海道の食と、ともに。』をエリアビジョンとしつつ新しい価値創造を通じて地域社会に貢献し、パートナーとして信頼される企業を目指します。
メーカーや取引先など事業パートナーとタッグを組めるような共創圏を構築していくことも目指しています。例えば物流では、過疎化の流れの中で同じお客さまにモノを運ぶことになれば、重複している機能を一本化するようなことにも取り組んでいきたい。メーカーなどにお話をして、WinWinで組める関係をつくっていこうと思います。
今年は、11次長計の1年目なので大切な年と位置付けています。コロナ禍で数字を戻し、かつ伸ばしていくのはなかなか大変ですが、今やるべきことを確実に実施し、アフターコロナで飛躍するための基盤をつくりたい。そして、最低でも11次長計が終了する5年後に売上高1000億円は達成したい。