セコマ(本社・札幌市中央区)は、4月1日付で丸谷智保社長(65)が代表権のある会長に、赤尾洋昭副社長(43)が社長に昇格するトップ人事を決めた。丸谷社長の在任期間は今年3月で11年になるため、トップの若返りを図ることで人心の一新を図り、新たな成長に向けたグループ一丸体制を整える。(写真は、赤尾洋昭副社長=2017年8月23日撮影)

 会長に退く丸谷氏は、1954年生まれ。池田町長、参議を務めた故丸谷金保氏の長男。函館ラサール高校、慶應義塾大学卒業後に北海道拓殖銀行入行。拓銀破綻後はシティバンクに移り、札幌支店長などを歴任した。2007年3月にセイコーマート(現セコマ)に入社、07年6月専務、08年3月副社長、09年3月から拓銀出身で社長を務めていた西山政市氏の後任として社長に就任していた。

 赤尾氏は、留萌市出身で「北の誉」から「丸ヨ西尾」を経て、実質的にセコマを創業した故赤尾昭彦前会長(16年8月19日死去)の長男。中高一貫の北嶺中・高校から一橋大学卒。伊藤邦雄一橋大学名誉教授はゼミ時代の恩師。同大卒業後はマツダに入社、04年5月セイコーマート(現セコマ)入社、06年3月取締役、09年2月常務、14年2月専務、16年2月から代表権のある副社長に就任していた。

 赤尾前会長は早くから製造、物流、販売の一貫体制構築を進め、店内調理の「ホットシェフ」や道内各地域にある食品製造企業の子会社化を進めてきた。前会長が蒔いてきた種を開花させ、セコマモデルともいえる事業体制を体現したのが丸谷社長。常人離れした“勘”を頼りにセコマの行く末を示した赤尾前会長、徹底した理論固めでセコマの存在意義を普遍化した丸谷社長は、セコマの進化を二人三脚で進めてきたと言える。
 北海道がより難しい時代を迎える中、セコマは次のステージに移る時期を迎えている。丸谷氏は会長として赤尾新社長を支える役回りになるが、今度はどんな二人三脚を見せてくれるだろうか。


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