新型コロナウイルスの感染拡大が、食品スーパーの店舗改装(リニューアル)工事にも影響を与え始めた。ホクレン商事(本社・札幌市北区)は3月4日から予定していた「ホクレンショップ49条店」(札幌市東区北49条東15丁目723ー1)のリニューアルを見送ることにしたが、その理由として掲げているのは『新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から改装後のお客さまの安全性を最優先するため』としている。(写真は、店舗改装を見送ることにした「ホクレンショップ49条店」)

 食品スーパーは、オープンから一定期間が経過すると売り場の陳腐化に対応するため店舗リニューアルを行う。売り場の照明や冷蔵装置など、インフラ面と新しいMD(販売政策)に基づく売り場のレイアウト変更などのリニューアルによって集客増を図ることができ、一般的には売り上げがリニューアル前より10%程度アップするとされている。

 ホクレン商事は年間1店舗程度を大規模リニューアルしてきたが、今年は「ホクレンショップ49条店」のリニューアルが予定され3月4日から3週間程度かけて大規模な工事を実施する計画だった。

 2月20日にはこうした計画を告知したが、26日になって一転、見送りを決めた。ホクレン商事では見送りの理由についてホームベージ上で『厚生労働省の発表にあった通り、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点からイベント等の必要性の検討依頼が出ており、当社としては改装後のお客さまの安全性を最優先し店舗改装を見送ることにした』と記している。

 一般的に食品スーパーのリニューアル後にはセールが実施されることが多く、客数が増えて店内の混雑が数日間続く場合が多い。ホクレン商事は、通常よりも客数が増えることによる感染リスクを懸念して見送りを決めたようだ。なお、新型コロナウイルスの感染拡大で内食指向の高まりを受け、食品スーパーの客数は増加傾向で売り上げも伸び始めている。ただ、感染防止のため店内作業の見直しや消毒、滅菌の徹底などコスト増にも晒されているという。


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