コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、7月から宅配トドックを利用した業務用食材の販売を始める。地域の中小料飲店向けにUCC上島珈琲と組んで専用カタログを配布、注文を受けてコープさっぽろがトドック車両に積んで届ける。多極分散している北海道では物流コストが増加、地域の料飲店向けに食材配送する業者が年々減少している。コープさっぽろは宅配トドックの配送インフラを活用して業務用食材も取り扱うことにした。P14-photo別紙A(写真は、宅配トドックによる組合員への販売=コープさっぽろ提供)

 原油価格は中長期的には値上がり傾向が続くうえ、トラック運転手の運転時間規制の強化などにより、物流コストは年々増加している。このため、広大な北海道では地域の市町村で営業している食堂や喫茶店など料飲店向けに業務用食材を届けるデリバリー業務の先細りで、連れてこうした料飲店の廃業も増えてきた。
 
 コープさっぽろは、約1000台の車両を使った宅配トドックで週1回、32万世帯に商品を届けている。全道260万世帯のうち12%強のカバー率があり、このルートを使えば地域の料飲店向けに業務用食材の販売も可能なため、今回UCC上島珈琲北海道支社と組んで7月から本格的に始めることにした。
 
 UCC上島珈琲は各種コーヒーのほか業務用食材の仕入れ販売も行っているが、今後他の業務用食材の卸会社にもこの仕組みの利用を提案、宅配トドックの新しい販売チャンネルに育成する。
 
 宅配トドックの事業高は2015年3月期で752億円、前期よりも2・1%減少した。しかし、高齢者見守りなど地域自治体と協定推進などを進めた結果、地域の支持に厚みが出ており利益は増加している。
 

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