道内の食資源の付加価値向上を目指した官民一体の組織、「食クラスター連携協議体」が5月に発足した。道経連の近藤龍夫会長が提唱したもので、オール北海道で豊富な農水産物を加工して道内外に供給、北海道の持続的な成長を目指すのが狙い。
そんな中、あまり知られていないが道内で獲れた水産物を加工したものが学校給食に幅広く利用されている。全道70漁協のうちで21漁協がサケ、ホッケ、ホタテのフライを学校給食に提供しており、中には北留萌漁協のように首都圏の学校給食としてスナガレイを出荷しているところもある。
道内でどのくらい学校給食に利用されているのかー道議会予算特別委員会で高木宏壽道議が質問したところ、道内の小・中学校で平成18年に24万食、同19年に26万食、同20年に44万食、同21年には61万食と確実に伸びていることが報告された。61万食の内訳はスケトウのフライが44万食でホッケのフライが17万食。61万食のうち7割が札幌市内の小・中学校に提供されている。
道では当面、100万食を目標に漁協や加工業界と連携を取っていく考えだ。また、道外への販路拡大に向けた取り組みも強化するという。
各漁協で獲れた水産物を地元で加工すれば地域振興にもなり、食クラスター協議体の目的とする食資源の付加価値向上にも合致する。地味だけど着実に伸びている学校給食向けの水産加工品は、既に食クラスターとして成功している部類だろう。
道は今年、生産者や加工業者と共に道外で試食会などを積極的に実施して小・中学校や生協の協同購入、量販店に向けてさらにこうした水産加工品の販路拡大を進めることにしている。