道は3日の道議会新幹線・総合交通体系対策特別委員会でHAC(北海道エアシステム)の4~7月の利用状況を明らかにした。それによると、輸送実績は、前年同期間比で4・1%減少の5万1620人だが、搭乗率は同5・3%増となり、6月からの丘珠空港への集約が利用者の増加に繋がっていることが分かった。
 
 HACの機材は、6月4日に起きた奥尻空港での異常降下によるエンジン不具合により7月末まで2機体制で運航してきた。
 
 3機体制で運航していた4~5月の2ヵ月間は、新千歳―女満別、丘珠―女満別を新設した効果もあって輸送実績は前年同期間比で17・3%増の2万5795人、搭乗率も同7・6%増の53・4%だった。
 
 6月以降は丘珠移転による集約効果が期待できたが、異常降下による機材トラブルで2機体制になり、6月単月の輸送実績は同4・5%減、1万3175人になった。ただ搭乗率は62・5%で同12・2%増。
 
 2機での運航が続いた7月の輸送実績は1万2650人で同30・5%の大幅減、搭乗率も60・8%で同2・9%の減少になった。
 
 特別委員会では、大地会派の鳥越良孝氏(1期、北見市)が、「筆頭株主の道は、担当局長や建設部長、さらに知事も『HAC運航に万全を期す』と言うが、そのたびに故障が起きている。今回のように2機体制になれば利用者に不便をかけ、観光客にも影響する。8月からは万全を期して3機体制で目を光らせて指導をして欲しい」とあらためて注文した。
 
 HACは国交省の事業改善命令に対する改善措置として安全推進部長と運航部長の兼務を解消、それぞれのポストにJALから「豊富な知識と経験を持った2名を迎えたことで安全推進に大きく寄与する」(高橋邦明空港港湾局長)としている。
 
 ただ、今後人件費や訓練費の上昇が見込まれるほか、「運航減少やリース費用の影響など収支計画の見直しを進めており8月末には明らかにしたい」(高橋局長)という。

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