道は、22日開かれた道議会新幹線・総合交通体系対策特別委員会でHAC(北海道エアシステム)の2011年度収支見込みを初めて正式に明らかにした。それによると、営業損益の段階で5億6000万円の赤字、経常損益では4億9300万円に赤字になり事業計画段階で7600万円の経常赤字額が6・5倍に膨らむことになった。また、現在の手元キャッシュフローについては、「企業の存続に関わること」として把握しているか、していないかについても明らかにしなかった。(写真は、HAC機)
 
 利用状況の見込みについて、事業計画での旅客人員数16万6658人に対して14万96人を見込み、機材故障や悪天候による欠航の影響で2万6562人計画を下回ることを示した。搭乗率も54・2%の計画に対して46・9%で7・3%下回ることになる。
 
 道の武田準一郎建設部長は、「離島航路や観光振興のためにHACの公共的役割は大きい」として、3月末にHACから道に支払われる貸付金返済について事務レベルで返済猶予の話し合いが行われているとし、明日から開会する第一定例道議会で議会議論をしていくことを答弁した。
 
 また、HACから収支見込について正式な報告を受けたのは昨日で、昨日から就航先自治体や経済界など株主に現状説明を始めたことも明らかにした。
 
 武田部長は、年度内に12年度のHAC経営の事業計画を策定し道議会の了解を得るスケジュールも示した。
 
 冨原亮(自民党・道民会議、当選2回、渡島総合振興局選出)、梶谷大志(民主党・道民会議、当選2回、札幌市清田区選出)、鳥越良孝(北海道大地、当選1回、北見市選出)の3委員の質問に道が答えた。


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