一般社団法人北海道信用金庫協会がまとめた道内23信用金庫の9月中間仮決算が5日明らかになった。それによると、貸出金利息収入が低金利競争で減少したものの市場環境が改善し有価証券利息配当金などが増加、また倒産減少による貸倒引当金計上が低下したことや経費節減が進み23信金の業務純益、純利益の合計はそれぞれ前年中間期比13・1%増の184億円、同44・5%増の132億円になった。
 
 23信金全体の預金量は平均残高で前年中間期比2%増の6兆7551億円、貸出金は平均残高で同0・1%減の2兆9327億円となり、預金量に占める貸出金の割合を示す預貸率は43・41%と同0・93ポイント低下した。集めた預金を企業などに貸出す割合が低下傾向にあることを示し各信金の足下で新規の資金需要が乏しいことを示している。低金利競争も続き、全体の貸出金利息収入は前年中間期より14億円、4・6%減の298億円だった。有価証券利息配当金収入は全体で11億円、7・7%増の161億円。
 
 個別信金を見ると、貸出金を前年中間期より7・7%伸ばしたのが渡島信金(森町)。渡島は札幌支店を中心に不動産向け融資を伸ばしており他の信金とは一線を画した融資拡大戦略を取っている。また、北空知信金(深川市)も8・5%伸ばし留萌信金(留萌市)の3・7%増、帯広信金(帯広市)の2・2%増と続く。
 
 逆に貸出金を大きく減らしたのは日高信金(浦河町)で9・5%減。伊達信金(伊達市)の6・4%減、北海信金(余市町)の5・1%減と続く。
 
 23信金全体では6~8月の3ヵ月間は前年同月比0・1~0・2%の幅で貸出金が伸びたが平残では前述したように0・1%減、9月末残では0・9%減になった。
 
 個別信金の純利益では、17信金が増益、6信金は減益になった。増益では283・9%増加したのが帯広。続いて231・2%増の釧路信金(釧路市)、196・1%増の渡島、154・3%増の日高という順。逆に減らしたのは空知信金(岩見沢市)の29・8%減、北見信金(北見市)の25・8%減、北海の15%減。
 
 自己資本比率は、貸出金を伸ばした信金を中心にやや低下、渡島は1・58ボイント減少して7・80%になったが23信金全体では20・85%と0・43ポイント上昇している。
 
 道信用金庫協会によると、「9月中間仮決算は予想以上に良い数字になったが、低金利競争は依然として厳しい。貸出しは伸びておらず今後も我慢の経営を継続するように手綱を締めて行かなければならない」と語っている。
 
23信金の2013年9月仮決算概況は次の通り。(各信金の貸出金残高と伸び率→当期純利益と伸び率→自己資本比率と伸び率の順)
 
・札幌信金  2892億5400万円(1・8%増)→8億7600万円(51・2%増)→16・97%(0・20%増)
 
・室蘭信金  1430億9900万円(0・7%減)→6億600万円(1・6%増)→24・89%(0・07%増)
 
・空知信金  1159億6600万円(0・8%減)→2億6300万円(29・8%減)→17・58%(0・68%増)
 
・苫小牧信金 1993億5400万円(1・6%減)→10億5000万円(8・8%増)→23・74%(0・38%増)
 
・北門信金   889億6700万円(1・2%減)→3億6000万円(140・0%増)→21・42%(0・97%増)
 
・伊達信金   586億8700万円(6・4%減)→8億2500万円(37・9%増)→10・37%(1・96%増)
 
・北空知信金  387億200万円(8・5%増)→1億1000万円(77・4%増)→12・35%(1・01%減)
 
・日高信金   379億9200万円(9・5%減)→7億700万円(154・3%増)→38・24%(2・31%増)
 
・函館信金   679億5000万円(1・2%減)→4億1600万円(60・0%増)→9・32%(0・65%増)
 
・渡島信金   955億5200万円(7・7%増)→4億6500万円(196・1%増)→7・80%(1・58%減)
 
・江差信金   650億8100万円(0・9%増)→3億9600万円(37・9%増)→21・21%(1・12%増)
 
・小樽信金   639億8800万円(4・1%減)→1億4400万円(71・4%増)→10・68%(0・22%減)
 
・北海信金  2163億1800万円(5・1%減)→1億9800万円(15・0%減)→14・75%(0・17%減)
 
・旭川信金  2996億1200万円(1・3%減)→16億5300万円(29・8%増)→21・70%(1・46%増)
 
・稚内信金   831億5100万円(0・8%増)→7億1700万円(22・3%増)→66・64%(0・65%増)
 
・留萌信金   907億8200万円(3・7%増)→1億7900万円(10・5%減)→14・75%(0・44%減)
 
・北星信金   788億7000万円(0・8%減)→3億7300万円(46・8%増)→15・00%(0・56%増)
 
・帯広信金  2707億100万円(2・2%増)→15億5900万円(283・9%増)→19・97%(0・38%増)
 
・釧路信金   900億4900万円(0・3%増)→3億7100万円(231・2%増)→14・63%(1・08%増)
 
・大地みらい信金1281億6900万円(0・8%増)→3億7300万円(8・5%減)→27・26%(0・43%減)
 
・北見信金  1897億400万円(2・2%増)→3億7500万円(25・8%減)→22・53%(0・10%減)
 
・網走信金   884億7300万円(1・1%減)→8億2100万円(153・3%増)→32・74%(2・12%増)
 
・遠軽信金   1323億2100万円(1・1%増)→4億1600万円(12・6%減)→21・74%(0・34%減)
 

  



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