一般社団法人北海道信用金庫協会(札幌市中央区)は6日、道内22信用金庫の2017年9月中間仮決算をまとめた。日銀のマイナス金利政策で貸出金利息収入の減少などが響いたが、当期純利益の減益幅は前年中間期比8%減にとどまった。マックスバリュ留萌、北空知、滝川マックス、コープの森 014(写真は、貸出金を前年中間期より9・6%増やした北空知信金の本店)

 信用金庫業界は、信用金庫法に中間決算の取りまとめが定められていない。しかし、各金庫は中間期の経営状況を把握するために便宜的に決算をまとめているため仮決算を行っており、道内では道信金協会が全金庫の決算数値を聞き取り、毎年この時期に中間仮決算として公表している。

 それによると、22金庫全体の儲けを示す純利益は94億8700万円で前年中間期比8・7%減、業務純益は110億円、同6・4%減、実質業務純益は113億7400万円、同8・3%減になった。純利益の減益幅は前年中間期の11・5%よりも少なく、マイナス金利の影響があった割には減益幅は少なかった。各金庫とも経費圧縮などによる踏ん張りが奏功したようだ。なお、22信金中で減益は13信金、9信金が増益になった。

 預金は7兆3051億5100万円で前年中間期より0・4%~4・3%の範囲で各金庫ともに増加、平均残高で1476億円の増加だった。貸出金は3兆370億円で平均残高では329億円増、前年中間期比で1%増えた。
 ただ、各金庫によって貸出金の増減があって、道南うみ街信金(江差町)は前年中間期比5・1%減、稚内信金(稚内市)は同2・2%減、伊達信金(伊達市)は同2・1%減などとなっている。逆に貸出金を増やしたのは、北空知信金(深川市)の同9・6%増、小樽信金(小樽市)の同7・5%増、北門信金(滝川市)の同6・3%増、日高信金(浦河町)の同6・0%増など。預金残高に占める貸出金の比率を示す預貸率は、22信金の平均残高ベースで41・57%になり前年中間期より0・4ポイント下がった。

 都府県の信金では、マイナス金利による利幅減に対応するため、有価証券運用を増やす信金が多い。株式や外国債などに運用先を求めリスクを取る運用スタイルだ。しかし、道内ではそうしたリスクを取る運用は少なく有価証券運用の平均残高は2兆4917億円と前年中間期より6・6%、1766億円減少した。資金運用に関して道内信金は都府県より安全性を求める傾向が強いようだ。


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