ほくほくフィナンシャルグループの北海道銀行(本店・札幌市中央区)と北陸銀行(同・富山市)は、道内の17信用金庫、3信用組合と協調して、北海道リース(本社・札幌市中央区)に、総額30億円のサスティナブル・リンク・ローンを2024年3月29日に実行する。道内で活動する22の金融機関が協調して、同ローンを組成するのは初めて。今後、脱炭素などGX(グリーントランスフォーメーション)関連で、道内金融機関が協調体制を取るモデルケースになりそう。(写真は、北海道リースに向けた道内22金融機関によるシンジケートローン契約締結の記者会見)

 サスティナビリティ・リンク・ローンは、融資先のサスティナビリティの取り組み促進を目的にしたもので、融資先が設定したKPI(指標)に対するSPT(取り組み目標)の達成状況に応じて、毎年金利が下がり、融資先の目標達成の動機付けを促進する融資商品。今回は、道銀がアレンジャーになり、北海道リースがサスティナブル戦略として掲げるエコカーリース成約件数の増加に、22金融機関がシンジケートローン(複数の金融機関が協調して融資を行う手法)を組成した。

 北海道リースは、2012年に道内で初めて補助金付き省エネリースを実施するなど、エコ関連リースに積極的に取り組んできた。リース取り扱いの半分以上が車両関連であることから、サスティナビリティ戦略としてEV(電気自動車)やFCV(燃料電池自動車)、HV(ハイブリッド自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド自動車)のリース契約台数の増加を目標に、シンジケートローンを受けることになった。

 具体的なSPTは、2025年3月期に317台以上とし、毎期2%以上の成約件数増加を目標に、最終期の2028年3月期に335台以上と決めた。同社は現在、約1万1700台の車両リースを行っており、そのうちエコカー比率は約13%。近いうちに約5000台までエコカーリースを増やし、半分の比率に高める。融資総額は30億円で、期間は5年間。達成状況に応じて毎年金利を下げ、北海道リースの目標達成を後押しする。

 2024年3月27日、道銀本店6階で行われた記者会見で、道銀の兼間祐二頭取は「道内に本拠を構える信用金庫、信用組合計20の金融機関とほくほくFG両行が参加して、北海道リースへのシンジケートローンを組成できたことは、道内金融機関の連携によるGX推進の好事例になる。今後もこうした動きを継続していきたい」と話した。また、北央信用組合の渡辺欣也理事長は「貸出金利が下がるのは正直、複雑な思いもあるが、カーボンニュートラルへの取り組みに積極的に協力していきたい」と語った。

■貸出金融機関は次の通り。
道銀/北陸銀/旭川信金/北見信金/釧路信金/北海道信金/空知信金/道南うみ街信金/苫小牧信金/北門信金/室蘭信金/網走信金/遠軽信金/帯広信金/北空知信金/大地みらい信金/日高信金/北星信金/留萌信金/札幌中央信組/空知商工信組/北央信組


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