北洋銀と日本政策金融公庫が「積丹GIN事業」支援、香草植物の栽培からジン生産まで国内初の一貫生産

金融

 北洋銀行(本店・札幌市中央区)と北海道二十一世紀総合研究所(本社・同)、日本政策金融公庫札幌支店は、積丹郡積丹町で進められている「積丹GIN(ジン)事業」を支援することを決めた。出資・融資の資金支援のほかジンの販路拡大などに協力、積丹町の地域資源を生かした産業創出を後押しする。(写真は、27日に行われた「積丹GIN事業」支援の記者発表での香草植物と試験蒸留したジンを前にしたフォトセッション。左から柴田龍・北洋銀行副会長、岩井宏文・積丹スピリット代表取締役、松井秀紀・積丹町長、能登謙一・日本政策金融公庫札幌支店長)

「積丹GIN事業」は、2015年度から木工デザイナー、煙山泰子氏の「積丹なら夢のジンができる」の言葉から始まった町の地方版総合戦略事業の一つ。16年度から地方創生交付金を利用して事業化に向けた取り組みが始まり、18年3月に事業主体となる「積丹スピリット」が設立された。代表取締役には道内で農林漁業をベースに地域づくりを進めるプランニング会社、GB産業化設計(札幌市中央区)の岩井宏文氏が就任。

 この事業は、起伏の激しい積丹半島の植生に由来する絶滅危惧種を含めたハーブ、アカエゾマツ、ミヤマビャクシンなど香りのする植物(香草植物=ボタニカル)を使ってジンを生産するもので、耕作放棄地を利用した香草植物の栽培からジンの蒸留まで一貫して取り組む国内初の事業という点が特徴。「単なる工場誘致、企業誘致ではない地域密着型の先駆的な取り組み」(松井秀紀積丹町長)

 積丹スピリットは今年7月末に総務省地域経済循環創造事業の交付金2223万円を受けており、今回、北洋銀は「北洋農業応援ファンド」を通じて3000万円を出資、また、日本政策金融公庫は9000万円を融資することを決めた。資金は積丹町の町営温泉『岬の湯しゃこたん』に隣接した町有地に建設する蒸留所の設備投資に充当する。

 蒸留所では、さとうきび由来のベースアルコールを仕入れて乾燥させた香草植物を浸し、再蒸留して香りのあるクラフトジンを生産する。「単品フレーバーのジン10種類を蒸留できるようにして、単品、ブレンド品と商品群を増やしたい。ジンとして料飲店や百貨店・レストラン向けなどに販売するほか、菓子や食品向けフレーバー用途にも販路を広げたい」(岩井氏)

 20年6月にアカエゾマツのクラフトジンを『森の香り』として販売開始、出資者で事業パートナーでもあるバーテンダーの鹿山博康氏によるブレンドジンもラインナップする。7年後には年間8000ℓを生産、年間7500万円の売り上げを計画している。

 積丹スピリットでは、ミュージックセキュリティーズ社のクラウドファンディングでも資金募集しており、こちらは2216万円の目標に対して8月26日現在で52%を達成。支援者は関西以西が多くシニア層の女性、40代会社員の男性が中心的に支援しているという。募集は20年3月末まで。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER