大地みらい信用金庫(本店・根室市)の預金量が3000億円を突破した。同金庫の9月中間仮決算では預金量が2919億7000万円で前年同期比2%増加したが、その後も順調に預金が集まり12月26日現在で3002億円に、年末には3010億円台に積みあがりそう。(写真は、遠藤修一理事長)
同信金は、2001年に厚岸信金を合併し根室信金から名称を大地みらい信金に変更。根釧地区での金融シェアは高く、同地区で展開する企業のうち、同金庫をメーン取引先金融機関にしているところは、32・7%に及び、北洋銀行や釧路信金を引き離している。
預金量は、09年3月末に2645億円、10年3月末2755億円、11年3月末で2813億円と毎年2~4%の伸びを示し、今年12月26日に3000億円の大台を超えた。
道内23信金の中で預金量が3000億円を超えているのは、旭川(7300億円)、帯広(6145億円)、札幌(4547億円)、北見(4488億円)、北海(4168億円)、稚内(3746億円)、苫小牧(3582億円)、室蘭(3333億円)の8信金。3000億円は、地域のメーンバンクとして金融機能を発揮できるひとつの目安とされている。
道内の各金庫とも預金が順調に積みあがる一方で貸出金は伸び悩んでいる。大地みらい信金の9月中間仮決算でも、貸出金は1230億円で前年同期比2・7%の減少。
遠藤修一理事長は、「根釧地区は農業の粗生産額が1000億円、漁業も根室だけで500億円程度の水揚げがあり例年全国のベスト10入りしている。一次産業の基盤は磐石なので、後は付加価値を高めて売る力をどう付けていくかが課題」とし、地域の力をつけるために企業等の価値創造に力点を置くことを強調。企業の財務改善を促す課題解決型金融から地域の価値を高めていく価値創造型金融へシフトし、貸出金の増加に結び付けていく考え。