北洋銀行の旧本店ビルに札幌信用金庫が本店機能を一時移転する計画が浮上している。旧北洋ビルは、今年1月に北洋銀が本店を新設した北洋大通センターに移転集約したため一部分が空き状態。札信金は、本店ビルの建て替えを予定しており、新ビルが完成するまでの期間、旧北洋ビルを一時使用するもの。ただ、札信金の新ビル計画が遅れているため一時移転は流動的要素が残されている。(写真は、旧北洋銀行ビルの1階部分)
 
 札信金は、大正10年12月に設立され、今年で90周年を迎える。札幌市中央区南2条西3丁目にある本店ビルは、昭和40年代に建設され老朽化が進んでおり、当初は90周年に合わせて新本店ビルの建設計画が構想されていた。
 
 同信金は、隣接するパルコ新館(旧マルサ2=旧丸井今井が展開)を取得、もう1人の地権者とともに3ブロックを一体化した新ビルとする予定だが、計画の具体化はもう少し先になりそう。大通からJR札幌駅にかけての駅前通は、日本生命ビルや北洋大通センターが完成、秋田銀行・石屋製菓の新ビル建設も進み、地下歩行空間の開通もあって様相が一変し賑わいを見せている。
 
 一方、大通からススキノにかけての駅前通は札幌オリンピックの前後に建設されたビルが立ち並ぶなど、大通を挟んで対照的な装いになっている。札信金の新ビルはこの地区で建て替え一番乗りとなるため注目度は高い。
 
 建て替えが具体化した段階で、仮店舗・仮事務所として旧北洋本店ビルが最有力候補になりそう。旧北洋本店ビルは大通公園に面した一等地だが、北洋銀は昨年に本部機能を北洋大通センターに移転、最後まで残っていた本店を今年1月11日同センターの大通支店と統合、現在は一部フロアーが空き状態のままだ。旧北洋ビルは、北洋銀と北洋系の不動産会社、交洋不動産が所有。銀行所有不動産は、遊休のまま所有することができないうえテナントを導入して貸し出す場合にも利用業種が限定されているという。


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