Rapidus東哲郎会長「AI半導体で北海道から6次産業を世界に発信を」、北海道経営未来塾公開講座で講演

経済総合

 札幌商工会議所・北海道商工会議所連合会の主催による「TOP SEMINAR 2024 北海道経営未来塾公開講座」が2024年7月22日、札幌市中央区の札幌パークホテル地下2階パークプラザで開催された。Rapidus(本社・東京都千代田区)の東哲郎会長(74)が、「半導体産業の持続的成長に向けて~今、何故『最先端半導体』を選択したか~」をテーマに約70分間講演した。会場には約250人が集まった。(写真は、北海道経営未来塾公開講座で講演するRapidus・東哲郎会長)

 この講演会は、北海道の若手経営者を育てる官民連携「北海道経営未来塾」の拡大版。通常は、塾生を対象にした講演会だが、今回は、札商や道商連の会員などにも広く参加を募った。演台に立った東氏は、東京エレクトロンの社長時代を振り返り、「経営理念に利益追求を重視することを謳った。利益は人間で言えば生命力そのものであり、社会にどれだけ貢献しているかの尺度でもあるからだ」と述べ、「世界と勝負をするには他社がやらないことをやり、失敗して学ぶことが大切。その失敗によって他社と違うことができる。これは重要なポイントだ」と指摘した。

 続いてRapidusが取り組む、回路線幅2ナノメートルの次世代半導体について、「AIは大量の電力を使用するため、消費電力を抑える技術をつくることが絶対に必要。現在の半導体は28ナノメートルの回路線幅だが、2ナノメートルにすると消費電力は大幅に少なくなる」として開発、量産の意義を強調した。

 北海道の産業構造についても言及、「北海道は各産業の付加価値を大きく伸ばすことが必要。AI半導体は産業構造をアップデートすることができる。人口減少の中でAIを活用して、北海道独自の価値を生み出していくとことが重要で、6次産業を北海道から全世界に発信していくべき。Rapidusは、ものづくり、人づくり、まちづくりを一緒にやっていきたい」と話した。

 さらに海外の半導体サプライヤーたちが千歳周辺に住むことになるため、「子どもの教育施設、病院などベーシックなインフラがないと住みづらい。宿泊施設や住宅なども早急に考えなければならない。また、新千歳空港の欧米国際線就航で世界的なネットワークをつなげていくことも大事」と述べた。

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