札幌証券取引所は18日、札証・東証1部上場銘柄「カナモト」の個人投資家向け説明会を開催した。札証は1ヵ月に1回のペースで「札証IR」と銘打った個人投資家向け会社説明会を行っているが、今回は初の土曜日開催。「アベノミクス」効果で株高が続き個人投資家の投資熱も高まっていることから、約70人が参加した。カナモトの高山雄一社長室広報課長は、「2013年10月期決算で予想を上回る売上高1000億円超えが確実」としたうえで、株式分割にも言及した。(写真は、個人投資家向けに説明するカナモトの高山雄一氏)
カナモトは、建設機械のレンタルを主事業にしており、昨年6月に同業のユナイトを子会社化。ユナイトは道路用機械のレンタルが専門で、これまでトップ企業だった西尾レントオール(本社・大阪市、大証1部)を抜いて全国一になった。
13年10月期の決算予想は、売上高991億円、営業利益71億円でユナイトを子会社化したことによる業績押し上げ効果は、売上高で162億円、営業利益で11億円。
高山氏は、「業績予想は、昨年9月ころの野田政権時代の経済環境をベースにしており固い数字。安倍政権発足により公共工事の増加が見込まれることから、売上高は1000億円を超え、営業利益の100億円超えも確実だ」と上振れすることを説明した。
また、5月中旬に三菱商事とカナモトなど建機レンタル4社で設立する卸会社は、第4次排ガス規制に対応した建機が規制対応燃料を必要とするため、従来のように中国などに売れなくなることでレンタル会社の採算悪化が見込まれるために設立したものだと紹介した。
カナモトは現在、中国に10ヵ所の拠点を持っているが、当初3年間で投資回収する予定が遅れ気味で4年半かかるとしたうえで現状では新たな中国投資は凍結、撤退も視野に入れていることを示唆した。
高山氏は同社の株価にも触れ、「高くて買えないという話も来ている。1対2か1対3で株式を括り直すことも検討している。来年は当社設立50周年を迎えるため記念配も想定、どこまで株式分割すれば良いのか検討を始めている」と語っていた。