建機レンタルのカナモト(本社・札幌市)は、2013年10月期に連結売上高が1000億円を超える見通しだ。今年6月末にM&Aで66・9%の株式を取得したユナイト(本社・東京都中央区)の売上げ約142億円がオンされるため。これに伴い14年10月期には増配も予定している。札幌証券取引所が旭川で初めて開催した個人投資家向け会社説明会「札証IR」でカナモトの高山雄一社長室広報課長が明らかにした。(写真は、個人投資家に向けて業績を説明する高山雄一氏)
 

 建機レンタルの市場は、震災復興関連や防災、減災の公共事業、民間建設投資の持ち直しなどによって総じて好調。
 
 高山室長は、「道内では泊原発の避難道として新しいトンネル道路や取り付け道路の建設が進むほか、北海道新幹線の新函館までの整備が進んでおり札幌延伸工事も始まるので建機レンタルの需要は底固いものになっている。道内に限らず、例えば高度成長期に建設された橋は、耐用年数50年と言われているものの、過積載の規制が緩やかだったころのトラック通行などによって老朽化は激しく補強や付け替え工事は増えていくだろう」と述べ、建機レンタル業界の市場は広がる見通しを示した。
 
 建設機械等のレンタル会社は全国に2000社ありそのうちで全国展開しているのは4社、上場しているのはカナモト(東証1部)と西尾レントオール(大証)の2社。1950社程度は地場の中小レンタル会社だという。カナモトは、これまでも積極的なM&Aを実施してきたが、高山氏は今後もM&Aを継続している考えを示し、「M&Aの環境は好転していくだろう。その理由は地場レンタル会社の後継者問題やメーカーから良い機械を入手できなくなっているためだ」と語り、同社にとってM&A戦略には追い風が吹いていることを強調した。
 
 カナモトは、土木機械が得意で12年10月期の連結売上高予想は850億円、一方の西尾レントオールは道路用機械が得意で同9月期は852億円の売上高。カナモトは今年6月に道路用機械を得意とするユナイトを買収、同社の4ヵ月分の売上高約40億円が加わったため業界トップの西尾レントオールとわずか2億円差まで縮めた。
 
 13年10月期は、ユナイトの売上高がフルにカナモトの連結業績に反映されるため、通期予想では1050億円程度の売上げになりそう。「西尾レントオールが他社をM&Aをしなければ業界トップの座を確保できる。西尾レントオールとのつばぜり合いから一歩先へ行ける可能性が出てきた」(高山氏)
 
 また、株主配当について、04年10月期の創立40周年の際に特別配当1円を実施して19円にしたが、07年10月期から2円増配して20円。「先期、今期、来期は増配が難しいので20円配当を継続するが、14年10月期は創立50周年に当たるため増配したい」と集まった個人投資家に語りかけていた。
 


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