JRサッポロビール庭園駅の近くに、巨大な建築物が姿を現している。正面の横格子状の外装が印象的で、伝統の中に芽生える先進性が伝わってくるデザインとなっている。竣工は、2024年2月が予定されている。(写真は、横格子が印象的な横浜冷凍の仮称「恵庭スマート物流センター」)

 この建物は、横浜冷凍(本社・横浜市西区)が建設を進めている「恵庭スマート物流センター」(仮称)。食品流通には欠かせない冷凍・冷蔵倉庫で、2021年10月から建設が始まっている。「スマート」と名付けられたように、地球環境へ最大限の配慮を施した倉庫を目指している。同社の北海道地区の施設としては初となる、太陽光発電システムと大容量リチウムイオン蓄電池を導入。発電したエネルギーを冷蔵倉庫内の冷却や事務所棟の照明、電源に使用している。また、このセンターで使用するEV(電気自動車)向けに、太陽光発電システムと蓄電池を連携させた充電ステーションも設置する。
 冷却設備には、省エネ型自然冷媒冷凍機を採用して、冬季には、外気を利用したC(クーラー)級室(冷蔵、チルド温度帯)の温度管理が行えるシステムも取り入れる。

 遠くからもその大きさが分かるが、近づくとさらに圧倒的な存在感がある。長方形の建物は銀色に包まれ、外壁の横にはロゴマークとアルファベットの社名がアクセントのように記されている。建物の個性を引き出しているのが正面の横格子。左前に建つ事務所棟の縦格子とのコンビネーションは、温かみを演出している。屋上の太陽光発電設備が規則正しく並ぶ姿も建物と調和する。スマートと呼ぶにふさわしい巨大建築物の門出が、2ヵ月後に迫っている。


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