札幌ラーメン「味の時計台」の人気が、復活の兆しを見せている。一時はM&Aによって店舗数が減少したが、味の改良も奏功して来店客が増加、かつてのファンから店舗増を望む声が多く寄せられている。こうした声を受け、別ブランドの店舗を「味の時計台北48条東8丁目店」(札幌市東区)に転換した。運営会社関係者は「復活の手応えを感じている」と話す。(写真は、ブランド回帰して2023年9月7日にオープンした「味の時計台北48条東8丁目店」)

「味の時計台」を展開しているのは、時計台観光(本社・札幌市中央区)。業績不振の中、2020年10月に関東で横浜家系ラーメン「魂心家」を展開しているトイダック(同・神奈川県大和市)の鴨田誓一代表取締役が個人でM&A、「味の時計台」再生に向けて動き始めた。

 時はコロナ禍の真っ只中。まずは赤字を止めるため、既存の「味の時計台」を「魂心家」に転換するとともに、「アジノトケイダイ」、「アジトケ」、「濃魂タンメン かみもり」、「サバ6製麺所」など新規ブランドにも挑戦した。このため、直営の「味の時計台」は、札幌市内2店舗に減少したが、コロナが徐々に収束するにつれ、かつてのファンや家族連れでの利用が増え、「味の時計台」の人気が復活。味の改良も相まって「食べたいけど店がない」という声も多く寄せられるようになった。

 この声を受け、同社は「濃魂タンメン かみもり北栄」を「味の時計台北48条東8丁目店」に転換、2023年9月7日にオープンさせた。同店は、もともとは時計台観光のFC(フランチャイズ)店舗だったが、2021年7月に直営化、2022年10月「濃魂タンメン かみもり」に転換した。それをわずか1年で原点回帰した。

 同社関係者は、「『味の時計台』には、祖父母がお孫さんを連れて食べに来てくれるなど、家族連れの需要が多い。コロナ前よりも店舗ごとの売り上げは良くなっており、再建に手応えを感じている」と話す。「味の時計台」復活の波が来ている。札幌市内には直営3店舗、FC3店舗を展開、札幌以外ではFC14店舗を展開している。


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