釧路市と釧路郡釧路町の境界が尖ったパン専門店の集積地になりつつあると4月に報じたが、さらにもう1店舗が境界付近に出店する。焼きたて食パン専門店「一本堂」がそれ。7月中旬以降は、釧路市と釧路町の境界から半径1㎞圏内にパン専門店4店舗が競うスクエアゾーンになる。(写真は、千歳市の「一本堂・北海道勇舞店」)

 この地区で最初にオープンしたのは、「あの人はナルシスト」(釧路町木場2丁目1ー12)。ベーカリープロデューサーとして有名な岸本拓也さんが社長を務めるジャパンベーカリーマーケティング(本社・横浜市青葉区)の直営店。北海道では、札幌・狸小路商店街の「カレーパンだ。」に次ぐ直営2店舗目。オープン日の4月17日には、小松茂釧路町長も参加するなど、地元の期待も熱い。
 この店舗は、「食のエンターテイメントベーカリー」を目指し、パンやピザ、おにぎり、焼き菓子など約60種類の商品を揃え、足元商圏だけではなく厚岸郡浜中町や根室市からも集客しており磁力は抜群だ。

 4月24日に開店したのは、T.H.S(本社・埼玉県越谷市)が展開する高級食パン専門店「純生食パンHARE/PAN(ハレパン)」の北海道3店舗目となる「釧路店」(釧路町曙1丁目2ー10)。運営は、注文住宅や注文家具などのウッディークラフト(本社・標津郡中標津町)で、店舗はウッディークラフトが新設したインテリアショップと併設した新店舗。「HARE/PAN」は、「純生食パン」1種類だけを扱う高級食パン専門店で、厳選した材料を使用、ハチミツを加えて焼くことによって、柔らかい食感と甘みが口の中に広がるのが特徴。

 7月中旬にオープンするのは、高級食パン専門店を全国展開している「銀座に志かわ」の「釧路店」(仮称、釧路市芦野5丁目1—5)。札幌、苫小牧、北見に出店しており、釧路は4店舗目となる。運営するのは、釧路市で燃料販売や不動産事業を手掛けている山仁野口商会で店舗跡に居抜き出店する。
「銀座西に志かわ」は、2斤の高級食パン1種類の単品専門店。パン業界の常識を破ったアルカリイオン水を仕込み水として使用しており、焼き上がった食パンは、耳がないと言われるほど柔らかく、モチモチの食感とほんのりとした甘さが特徴。

 同じく7月中旬にオープンするのが、焼きたて食パン専門店「一本堂」の「釧路愛国店」(釧路市愛国東4丁目36ー6)。「一本堂」は、2013年3月に大阪市都島区で創業した食パンに特化した専門店。現在は、IFC(本社・東京都新宿区)がフランチャイズ本部となり全国に約120店舗を出店。北海道には、「札幌琴似店」(札幌市西区)と「北海道千歳勇舞店」(千歳市)の2店舗があり、今度の店舗は3店舗目。地元の事業者が店舗を建設してFC運営する。北米産や国内産の小麦4種類のほか、道産の有塩バターなど3種類を使用、はちみつ、卵、イーストフードは使用せず子どもも安心して食べられる。

 この付近の釧路市と釧路町の境界は、共栄橋通となっている。奇しくもこの境界付近から半径1㎞の範囲に4店舗が集中することになる。釧路パン戦争とも言える状況が出来(しゅったい)しそうだ。


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