十勝産大豆のグラノーラなど低糖質スイーツ開発、帯広「晴cafe」が地元食材活用

経済総合

 北海道十勝産の大豆などを使った低糖質スイーツが注目されている。低糖質でも甘くて美味しく身体に優しいのが特徴。価格は通常のスイーツより割高だが、糖尿病やその予備群として食事制限をしなければならない人たちの食べたい気持ちに応えた製品として購入者が増えている。(写真は、十勝産大豆を使った晴cafeのグラノーラなど)

 この低糖質スイーツを作っているのは、晴cafe(ハルカフェ)合同会社(帯広市)。代表社員は景山善美さんと安久澤智子さん。景山さんは神戸・須磨出身の元測量士で北海道に憧れて十勝に移住。測量士を辞めてから、自宅を改装してカフェをオープンしたが、数年後に糖尿病予備群と診断され店を閉め、食事療法で糖質制限を実行。薬を使わずに血糖値をコントロールできることに成功した経験を生かして、糖質オフの料理教室講師を務める傍ら2017年から低糖質スイーツの開発に着手。
 一方、安久澤さんはカフェの常連客だったが、糖尿病の家族をサポートする中で血糖値のコントロールが重要と知り、景山さんと意気投合。以降、2人で低糖質スイーツの開発を手掛けることになった。  

 こうして生まれたのが、低糖質の「クッキー」、「ケーキ」「大豆グラノーラ」などのスイーツの各種。「クッキー」は、薄力粉の代わりにアーモンド粉や十勝産おからをベースにしており、砂糖の代わりに希少糖・エリスリトールを使用して糖質量を70%以上カットしたもので、卸値は1枚200円(税別)から。しっとり、ざくざく、パリッと食感の異なる3種類を揃えている。

「ケーキ」は、地域のチーズ工房が製造するカマンベールとクリームチーズを使ったチーズケーキで、小麦を使わずチーズと卵、エリスリトールで低糖質にした。8㎝カップ卸値300円(税別)。また、「大豆グラノーラ」は、十勝産大豆をベースに、甘み付けにエリスリトールを使用、従来品と比べて糖質量を70%以上カットしており、良質なタンパク質を摂取できる。こちらは北海道を代表する優れた加工品として道の「2019北のハイグレード食品S(セレクション)」にも選定された。170g、卸値650円(税別)。

 使用している原料は、北海道の乳業メーカー、よつ葉乳業(本社・札幌市中央区)のバターとスキムミルク、河西郡中札内村・十勝野フロマージュのカマンベールとクリームチーズ、河東郡上士幌町・十勝養蜂園のはちみつ、帯広市・中田食品の大豆、川合農場の全粒粉など、できるだけ身近なところで生産されているものを利用している。また、製造は帯広市の障がい者支援施設「はちす園」と一緒に行うなど農福連携も実践している。

 道内では、「どさんこプラザ」や「きたキッチン」、新千歳空港売店のほか、十勝では「藤丸」や「北海道ホテル」、「道の駅かみしほろ」、WEBでは日本きらり、Makuakeストア、帯広市ふるさと納税などで販売している。景山さんと安久澤さんは、「今後も十勝産の原材料をできる限り多く使って、糖尿病や血管障害の予防に役立つ糖質量を抑えた菓子づくりを進めていきたい」と話している。

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