「札幌シメパフェ」文化の発祥カフェ、「ミライスト」の灯が消える

経済総合

「札幌シメパフェ」の発祥店舗でもあるクリプトン・フューチャー・メディア(本社・札幌市中央区)が直営展開する「ミライストCAFÉ×SWEETS×BAR」が、10月3日(土)で閉店する。アーティストやクリエーターたちのリアルなコミュニティ空間として開設した同店だったが、新型コロナウイルスの影響で来店客が減少、閉店を選択せざるを得なかった。(写真は、10月3日に閉店する「ミライストCAFÉ×SWEETS×BAR」)

 同店の前身は、2014年10月にすすきのの商業施設「ノルベサ」(中央区南3条西5丁目)1階にオープンした「ミライスト・カフェ」。クリプトン社の伊藤博之代表取締役の出身地である川上郡標茶町で生産されている生乳を使用したソフトクリームを提供するなど、道産食材を使ったスイーツ発信拠点だった。今や全国に広がった「シメパフェ」の元祖となる「札幌シメパフェ」が生まれた店舗でもあった。アーティストやクリエーターがリアルに集える空間で、道産食材の新たな発見を模索するキッチンラボ的なカフェでもあった。

 賃借契約更新を機に19年6月、敷島北1条ビル(中央区北1条西3丁目)地下1階に移転、店舗名も「ミライストCAFÉ×SWEETS×BAR」に変更。メニューも豊富に揃え、ターコイズブルーの壁をアクセントに、自然のぬくもりが感じられる落ち着いた雰囲気の椅子やテーブルを揃え、隠れ家のような空間を演出するなど、店舗機能をさらにブラッシュアップしたカフェとして再出発した。

 しかし、今年に入って新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が続き来店客が減少。クリプトン社は、存続を模索したものの現在のスタイルでの営業は難しいと判断、10月3日の閉店を決めた。クリプトン社によると、「飲食業界全体がコロナの影響を受ける中、『ミライスト』も例外ではなく厳しい状況が続いているため閉店を決めた」(広報)としている。

 オープンから約6年、「札幌シメパフェ」の文化を創造してきた「ミライスト」は、コロナ禍で店を畳まざるを得なくなったが、クリプトン社は地域に根差した新たな事業展開を検討している。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER