北海道の戸建て住宅販売大手のホーム企画センター(本社・札幌市北区)は、6月12日の株主総会で、サン建築設計(同・同市東区)への事業譲渡を正式決定する。ホーム企画センターの大株主は創業者の青木雅典会長兼社長(85)からサン建築設計に移る。青木氏は新生ホーム企画センターの顧問に就く予定だったが、新会社の経営には関わらないことになった。(写真は、札幌市北区にあるホーム企画センター本社屋)
ホーム企画センターは、青木氏が1968年に創業、戸建て住宅販売で成長し従業員は約80人。2019年3月期の売上高は53億3600万円。青木氏は数年前から社長ポストを継ぐ後継者がいないとして、取引先の北海道銀行(本店・札幌市中央区)を仲介役に事業譲渡先を探していた。
今年3月27日に、同じ道銀が取引先の賃貸マンション建設道内大手のサン建築設計と事業譲渡契約を締結、6月12日のホーム企画センターの株主総会で譲渡が正式決定される予定になっている。青木氏は68%の株式を保有しているが、全株をサン建築設計に無償譲渡する。サン建築設計は、2006年設立で従業員約40人、19年4月期決算の売上高は70億3000万円。
新生ホーム企画センターは7月1日にスタート、当初は青木氏が顧問に就任しバックアップするとみられていたが、青木氏は顧問に就かず同社の経営から退くことになった。青木氏は札幌商工会議所副会頭などを歴任してきた上、当初は顧問就任の予定だったため経済人の間では顧問に就かないことをいぶかる声も出ている。また、社長には当初はサン建築設計の古田利秋専務が就任する予定だったが、道銀の麻生支店長経験者が就くことになった。青木氏は、北海道日中友好協会会長を続けるほか、新たに青木ビジネス企画センターを設立する。