札幌市中心部の時間貸し駐車場が「30分400円」時代を迎えた。中心部で一般的だった1時間300円は既に過去の話になりつつある。駐車場利用者にとってこの価格では頻繁には利用できない。駐車場バブルと言っても良い様相だ。P1090360P1090370(写真上は、三井のリパークの料金。写真下はタイムズ駐車場の料金。2社の駐車場共に料金を張り替えた形跡が見える)

 市内中心部にあった空き地の多くは、時間貸し駐車場として利用されていたが、最近はめっきりその駐車場が少なくなった。というのは、多くの駐車場がホテル建設やマンション建設用地として利用され始めたからだ。

 以前なら、中心部の時間貸し駐車場が「満」になっているケースは2~3ヵ所に1ヵ所で、約束の時間ぎりぎりでもクルマを停めることができた。しかし、今年に入ってから様相は一変。多くの時間貸し駐車場に「満」の表示が点り、数ヵ所回ってもクルマが停められない状態が当たり前になってきた。昨年の感覚で駐車場を探そうものなら、20~30分周辺を走っても「空」を探せない場合がある。こうした駐車場難民は札幌で続々と増えている。

 中心部の時間貸し駐車場の料金を調べてみると、周辺から中心部に行くにつれて30分200円が300円になり、そして最大は400円まで跳ね上がった。ススキノ地区では、昼間より夜間の時間帯が高くなるが、ここでも30分300円が登場、駐車料金の相場観は明らかに以前と違ってきている。

 駐車場バブルを生み出しているのは、全国系のパーク24(本社・東京都千代田区)グループのタイムズ24(同・同)が手掛けるタイムズ駐車場と三井不動産リアルティ(同・同)が手掛ける三井のリパーク駐車場の2つ。

 中心部の好立地なら2社は土地オーナーに、1台あたり月6~7万円の賃料を保証、さらに2社が競り合うと1台10万円の賃料を保証する高騰ぶり。土地利用を決めていないオーナーなら期間限定で時間貸し駐車場にすればかなりの収益になるという。でも裏を返せば、この駐車場バブルが「30分400円」を招いている。平均4000万円を超えた最近の札幌・マンション相場と同じ。マンションは誰が買い、時間貸し駐車場は誰が停めるのだろう。


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