札幌市内でオフィスビルや賃貸マンションを所有運営する藤井ビル(本社・札幌市中央区)が所有していた札幌市中央区の「北1条ビル」(北1西5)の跡地が、隣接する北海道労働金庫(本店・同)に売却されていたことが分かった。土地面積は約260坪で現在、時間貸し駐車場として利用されている。IMG_0966(写真は時間貸し駐車場として利用されている北1条ビル跡地。右のビルは北海道労働金庫本店ビル)

 北1条ビルは、地上10階建てで1962年11月に竣工。日銀札幌支店と道路を挟んで東側に位置することから、かつては手形交換所や札幌銀行協会、北海道経済同友会など札幌経済界を象徴する公的機関が入居するオフィスビルだった。
 
 土地建物の所有者は、旧日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)系の興和不動産(現新日鉄興和不動産)だったが、2002年に藤井ビルが取得していた。築50年以上が経過して老朽化が激しかったため14年春にすべてのテナントが退去、同年5月の大型連休後から解体作業に入り15年3月末には更地になっていた。
 
 当初、藤井ビルは売却と再開発の両面で検討を進め、隣接する北海道労働金庫と共同で建て替えによる新ビル建設の構想が浮上したこともある。しかし、同年3月末、藤井ビルは更地になると同時に同金庫に売却していた。現在は、同金庫利用者などに向けた時間貸し駐車場になっているが、同金庫本店ビルは76年に建設され今年が40年になるため将来的には新本店ビル建設用として利用される見通し。
 同金庫は、預金量9275億5800万円、貸出金は6625億600万円(15年3月末現在)。現在の理事長は連合北海道の元会長、高柳薫氏。



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