札幌証券取引所のアンビシャス市場に上場している「エコミック」は、ペイロールアウトソーサーと呼ばれる給与計算業務を行っているが、企業がこうした業務の外注化を進めていることもあって業績は上向きに推移している。現在、全国310社、3万9000人分の給与計算を毎月行っている。
熊谷浩二社長は、「給与計算は企業にとってコストでしかなく、いかに安くやるかがポイント。生産性があるわけではないので外注のニーズは高い」と将来性に自信を示す。
企業が自社で行っていた業務を外注化することを、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)と言うが、国内の市場規模は2010年で1兆3000億円。このうち、エコミックが手がけている人事BPOと呼ばれる部分は、年間4500億円程度だが、3年後には5000億円になると見込まれている。「同業他社がそんなに多くないので市場獲得の余地が十分にある」と熊谷社長は言う。
北大留学生だった宋文洲氏が起業したソフトブレーンとも提携しており、中国青島市にある企業に一部の業務を委託するなど中国にも足がかりを持っている。
熊谷社長は、名古屋市出身で一橋大商学部経営学科卒の39歳。三井住友銀行入行後、札幌支店勤務の時代にキャリアバンク佐藤良雄社長にヘッドハンティングされ、脱サラしてエコミック社長に就任した。
「アンビシャス上場は4年前の平成18年4月。当社は給与計算業務を行っている会社の中で唯一上場している。上場メリットは多いが、信用力は上場しているからこそ得られる」とアンビシャス市場の有効性も説いている。