札幌証券取引所アンビシャス市場に上場している給与計算アウトソーシングのエコミック(本社・札幌市中央区)は4月28日、東京証券取引所ジャスダック市場に上場した。両市場に重複上場するのは、IoT・AIソリューションのエコモット(同・同)に次いで2社目。(写真は、エコミックの熊谷浩二社長)
エコミックは、1997年4月設立で2006年4月に札証アンビシャス市場に上場した。顧客企業の月々の給与計算や年末調整及び賞与計算等のペイロール事業を展開。13年5月には中国・青島に子会社「栄光信息技術有限公司」を設立、海外拠点も設けている。19年3月期は売上高10億7600万円、営業利益9400万円、純利益7600万円を計上している。
今回、一層の知名度向上と業容拡大を目指して東証ジャスダック市場(スタンダード)への上場を申請、4月7日付で東証より新規上場が承認され28日に同市場に上場した。同社は、公募による新株発行と株式売り出し、第三者割当による新株発行を行い約2億円の資金を調達する。この資金は、年末調整システムの改修や給与計算基幹システムの更新など整備投資に充てる。
20年3月期の業績予想は、売上高13億円(前期比20・8%増)、営業利益1億3000万円(同36・9%増)、純利益8800万円(同14・6%増)。
熊谷浩二社長は、東証ジャスダック上場について次のようにコメントした。
「当社の売り上げの約8割は道外なので東証ジャスダック市場に上場することで一層の信用力と知名度向上を図り、営業力強化とともに優秀な人材の採用に繋げたい。アンビシャス市場に上場して以降、リーマンショック、東日本大震災、中国での反日デモ拡大、北海道胆振東部地震など様々なアゲインストの出来事に遭遇してきました。しかし、上場していたために成長を持続させることができ、東証ジャスダックの上場基準をクリアすることもできました。
札証アンビシャス市場はベンチャー企業にとって非常に有効なインフラだと改めて感じています。道内企業はこの市場を使えるメリットがあるので、積極的に活用する企業が多く出てくることを期待しています。
新型コロナウイルスによる影響は見通せませんが、青島と札幌の2拠点体制でオペレーションリスクの低減を図っていきます。コロナ問題で働き方改革が一層進むことになるでしょう。そのお手伝いの一助として当社がお役に立てればと願っています」