香港観光客が好む小動物との触れ合い、「香港ビジネスセミナー」で道内誘客の秘訣紹介

経済総合

 北洋銀行(本店・札幌市中央区)と香港貿易発展局、北海道日本香港協会の主催で「香港ビジネスセミナー」が18日、札幌グランドホテルで開催された。最新の香港ビジネス動向や香港から北海道への誘客などについて3つの講演が行われた。香港ビジネスに携わる道内企業関係者約100人が参加した。IMG_3694(写真は、挨拶する北洋銀行横内龍三会長)
 
 北洋銀行は2009年に香港特別行政府の貿易担当部門である香港貿易発展局と業務協力協定を締結、経済面での交流を進めてきた。道内香港関係者の親睦団体である北海道日本香港協会会長を北洋銀の横内龍三会長が務め、事務局も同行内に置かれていることから毎年この時期に「香港ビジネスセミナー」を開催している。
 
 今回のセミナーでは、最初に香港貿易発展局日本首席代表の古田茂美氏が「香港最新動向」について講演、北海道の映像コンテンツが香港との貿易プラットホームに乗ったことが報告され、「世界で2番目のコンテンツマーケットである香港フィルマートで『アグリ王国』が大ブレークした。60分番組100本が1本100万円で1億円の商いになった。香港フィルマートで日本が最大のプレゼンスを発揮する日は近い」と初音ミクや映画「探偵はBARにいる」などがクールジャパンとして人気が高いことをアピールした。
 
 続いて、香港で40年に亘り日本料理店の店長や経営者として日本料理を提供してきた安部隆孝AHT・INTERNATIONAL・LTD社長が「香港での経験から」と題して講演。阿部氏は、1974年に東京築地・金田中の香港の店で働き始めた当時を振り返り、「あのころは街並みがくさい臭いに満ちていて汚い印象だったが、今では日本以上に綺麗だ」と述べ、74年末にICAC(香港政府汚職取締機関)が設立されてから治安が良くなっていった経過を説明した。
 
 現在、香港には中華や洋食、日本食を合わせて約1万5000軒の料理店があり、そのうち日本食は1800軒、日本人が経営しているのは約200軒で接待のできる店は50軒ほどだという。「香港では旭川の清酒、男山が売れており北海道の食材はすごく流行っている」(安部氏)と紹介した。同氏は2013年度日本食海外普及功労者として農水省から表彰されている。
IMG_3699(写真は、北海道への誘客について話すJNTO香港事務所清水泰正次長)
 最後に日本政府観光局(JNTO)香港事務所の清水泰正次長が「成熟期を迎えた香港からの訪日旅行市場へのアプローチ~北海道への更なる誘客に向けて」をテーマに講演。清水氏は、香港から北海道を訪れた14年度上半期の観光客は延べ泊数で20万8201人泊となり台湾(65万9751人泊)、中国(31万2633人泊)に次いで3番目だったが、平均泊数は3・68泊で実質的には1位だったことを示した。しかし、09年に日本を訪れた香港観光客の25%強が北海道を観光したが、直近の14年1~9月では14・6%に下がり、関西、九州、沖縄のシェアが拡大していることを明らかにし、「香港観光客の8割はリピーター。SARS以来、香港では小動物と触れ合うことが禁止され、日本で小動物がいるところが人気。道内でも小動物のいるテーマパークなどは売りになる」と述べた。

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