宿泊主体型の「ホテルビスタ」を全国で15ヵ所展開している、ビスタホテルマネジメント(本社・東京都千代田区)の民事再生手続きが11月11日に終結、新たなスタートを切った。同社は今年3月に東京地裁から民事再生手続きの開始決定を受けていたが、再生計画に基づく一括弁済を10月に実施、同地裁から民事再生手続きの終結決定を受けた。(写真は、「ホテルビスタ札幌大通」=中央の建物)

 ビスタホテルマネジメントは、「ホテルビスタ」を運営していたサン・ビスタの流れを汲む、ユニ・アジアグループ(シンガポール)のグループ会社で2005年設立。札幌2ヵ所を含む全国19ホテルを展開、2019年12月期の売上高は71億1400万円だったが、コロナ禍によるインバウンドなど利用者減で、20年12月期は35億8800万円に半減。
 約37億円の債務返済は困難として、今年3月11日に東京地裁に民事再生手続きの申し立てを行い、同月18日に手続き開始決定を受けた。パチスロ機器メーカーで航空機や船舶のリースなども行っている山佐(本社・岡山県新見市、岡山本部・岡山市南区)をスポンサーとしたプレパッケージ方式の民事再生で、同年9月にビスタホテルマネジメントは山佐の完全子会社となり、同年10月29日に再生計画に沿った一括弁済を行って、民事再生手続きが終了した。

 コロナ禍による利用者減で経営破綻したホテル運営会社は、ビスタホテルマネジメントやWBFホテル&リゾーツ(本社・大阪市北区)などのほか、北海道では丸駒温泉(千歳市)がある。WBFホテルリゾーツは星野リゾート(本社・長野県北佐久郡軽井沢町)、丸駒温泉は中小企業の再生を支援するルネッサンスエイト投資事業有限責任組合(東京都千代田区)がスポンサーになって再建を進めているが、民事再生手続きが終結したのは、ホテルビスタマネジメントが初めて。コロナ禍による経営破綻から、8ヵ月で同社は新スタートを切る。なお、「ホテルビスタ」は、札幌では「大通」(南3条西5丁目16)と「中島公園」(南9条西4丁目5)の2ホテルを展開している。


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