石狩湾新港地域に地産地消の賃貸用再エネデータセンター、東急不動産などのSPCが開設

経済総合

 東急不動産(本社・東京都渋谷区)などが出資する、特定目的会社(SPC)が建設主になった賃貸用データセンター「石狩再エネデータセンター1号」が、石狩湾新港地域で竣工、2026年6月10日に内覧会が行われた。(写真は、3階データホールの1区画)
(写真は、屋外に設置されている空調設備)

 施設の隣接地と周辺には、東急不動産と石狩市などが出資した、SPCが整備した太陽光発電施設があり、そこで発電した再エネを100%利用する。地産地消の賃貸用再エネデータセンターとして、環境経営を志向する企業を募集する。管理運営は、東急不動産とフラワーコミュニケーションズ(本社・東京都中央区)が行う。

「石狩再エネデータセンター1号」は、鉄骨造、3階建て、延べ床面積は約3050坪(1万65・36㎡)。1階はエントランスと設備フロア、2~3階が賃貸用データホール。1階のエントランスには、手稲山をモチーフにしたデザインが施された木素材の壁や、石狩の海をイメージしたタイルが敷き詰められている。設備フロアには、受変電設備や非常用発電機、無停電電源装置(UPS)などの区画に分かれている。受変電設備は、特別高圧66kVの本線と予備線の2回線受電ができるようにして、JDCC(日本データセンター協会)ファシリティスタンダード最高評価のティア4に対応した冗長性(予備や重複で余裕があること)を持たせている。

 非常用発電機は、重油を利用するガスタービン式で、2400kW能力の発電機を7台設置。停電時に48時間稼働できるように、屋外には48万ℓ(大型タンクローリー3~4台分)の重油タンクを地下埋設している。UPSについても、6区画6台にプラスして2台を備えており、こちらもJDCCファシリティスタンダート「ティア4」に相当する冗長性を確保している。

 2階、3階は、データホール3区画(1区画は約172坪=570㎡)がそれぞれ設けられ、設置可能ラック(サーバーやルーター・スイッチなどのIT機器を収容する専用棚)は1区画約190ラック、使用可能電力は1区画約1800kWとなっている。スケルトンで提供し、ユーザーによって天井の造作変更にも応じる。賃借企業は、自社データセンターとしての利用やデータセンター事業者が提供するラックやサーバーの利用も可能。

 データホールの冷却は、外部に設置した間接蒸発式の空調機8台で1区画ごとに対応する。2026年8月から一部データホールが稼働する。2階と3階にはラウンジ空間も設けており、再生アルミフレームや道産間伐材を使った家具を配置している。また、7段階の多重セキュリティシステムで入室制限を行い、機密性を維持する。

 隣接地と周辺に設けたオンサイトPPA(施設敷地内で発電した電力を直接供給する方法)太陽光施設の発電能力は、約5MW(隣接地約0・7MW、周辺約4・3MW)で垂直式と追尾式の2種を設け、架台の高さは、2mの積雪にも対応できるようにした。パネル枚数は、全体で1152枚。オンサイトPPAの自営線で不足する時には、東急不動産の再エネを系統線から引き込んで対応する。東急不動産は今後、小規模な都市型データセンターから中・大規模な郊外型データセンターまで幅広く開発を行っていく。

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