コープさっぽろ、生鮮強化・低価格の「おいしいお店進化版」フォーマット導入

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 コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、スーパーマーケットの競争が激化していることに対応、生鮮4品(青果・畜産・水産・惣菜)を徹底強化して、毎日低価格(EDLP)で提供する新フォーマット「おいしいお店進化版」を、「コープさっぽろ二十四軒店」(札幌市西区二十四軒3条1丁目2-30)に導入した。年内に道内24店舗に横展開、差別化によって競争優位を目指す。(写真は、「おいしいお店進化版」フォーマットを導入した「コープさっぽろ二十四軒店」)
(写真は、専門店化を追求した畜産売り場)

 コープさっぽろのスーパーマーケット部門は、赤字が続いている。好調な宅配部門でスーパー部門の赤字をカバーする構造がコロナ禍以降、常態化している。2020年2月から始めた惣菜強化の「大惣菜プロジェクト」は、惣菜部門の差別化に繋がっているが、SKU(在庫保管単位)が広がり、「部分最適・全体不適」の状況になりつつある。また、ラルズ(本社・札幌市中央区)の「スーパーアークス」やトライアルカンパニー(同・福岡市東区)の「スーパーセンタートライアル」などとの競争が激化、北海道3強(アークス、イオン北海道、コープさっぽろ)のスーパーマーケットでありながら、顧客誘引のポイントが絞り切れない状態だった。事実、ここ数年間に新規出店した店舗は、苦戦を強いられていた。

(写真は、専門店の品揃えをしたローストビーフコーナー)
(写真は、フライの取り扱いを始めた水産売り場)

 これを受けて、2026年1月に理事長直轄ともいえる「生鮮改革タスクチーム」(以下タスクチーム)を組織し、徹底した競合対策を進め、スーパー部門の再浮上を目指すことにした。大見英明理事長は、1998年の経営危機に際して、「コープさっぽろ新道店」(札幌市東区)から始めた「おいしいお店」プロジェクトの水産部門の責任者だった。このプロジェクトは、「コープさっぽろ」再生の原動力になった。今回の生鮮改革タスクチームは、その改革の芯を引継ぎ、現在の消費環境に合わせた「おいしいお店進化版」を目指す。

(写真は、鉄板焼きを強化した惣菜売り場)

 ベンチマークしたのは、マミーマート(本社・さいたま市宮原区)の「生鮮市場TOP」とバロー(同・岐阜県多治見市)の「バロー」。「生鮮市場TOP」からは、畜産部門の品揃え強化による専門店化を学び、「バロー」からは、水産部門の対面販売や魚惣菜などを学んだ。畜産部門では、「牛タケノコ(大動脈)」や「鶏もみじ」「豚ハツ」「ラムレバー」など希少部位のほか、ローストビーフを使用した丼、寿司、サラダを品揃えしたほか、業務用の大容量品まで他のスーパーとの圧倒的な差別化を行っている。その上で、「価格事件」と銘打ち、低価格を訴求している。

 水産部門では、以前から行っていた対面販売をより強化し、バックヤードに専用のフライヤーを導入、売り場の魚を使ったフライを揃えたほか、メバチまぐろの希少部位ハラモを使った低価格のマグロ丼も提供する。惣菜部門は、「大惣菜プロジェクト」のSKUを絞り、鉄板焼きやピザなどを徹底的に見直すとともに、何を買ってもらうかという原点に戻って売り場を再編集した。青果売り場では、全店対応のバイヤーが市場で買い付ける青果とは別に、タスクチームが市場で独自に買い付けた青果を、特売価格で販売する日も設ける。

 タスクチームは、こうした売り場改革だけでは差別化できないとみており、店舗従業員の教育にも重点を置く。「何のために、コープさっぽろがお客さまに商品を売るのかという背景まで、繰り返し説明している」と坂井誠次タスクチーム部長は言う。また、売り場改革に伴うコスト増に対しては、フルセルフレジの導入など店舗DXによる人時生産性の改善で、マルチジョブ化を推進して対応する。

 前出の坂井部長は、「生鮮食品の専門店化を進めるとともに、EDLPでコープさっぽろの商品は高いというイメージを払拭、お客さまに満足していただけるお店にしたい」と話す。「コープさっぽろ二十四軒店」を手始めに、年内に道内24店舗で「おいしいお店進化版」を導入する計画。導入店舗の売り上げを、2024年度比で115%に引き上げる考えだ。

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