北海道経営未来塾「経営実務講座」開催、坂場武彦・道開発局長、土屋俊亮・道銀地域総合研究所会長が講話

経済総合

 北海道の若手経営者に、経営の気づきを指南する官民連携の北海道経営未来塾(塾長・長内順一未来経営研究所)は2025年3月5日、札幌市中央区の札幌パークホテル1階テラスルームで「経営実務講座」を開催した。同未来塾の塾生30数人が、聴講した。(写真は、講話を行う北海道開発局・坂場武彦局長)
(写真は、講話を行う道銀地域総合研究所・土屋俊亮会長)

「経営実務講座」は、道内2地方銀行が、それぞれ主催する講座。レジェンド経営者の講話を聞いて意見交換する講座と違い、経営の実務に沿った実践的な学びを提供する場。2025年2月3日の北洋銀行主催に続く今回は、北海道銀行が主催した。

 最初の講話は、北海道開発局の坂場武彦局長が、「地方創生と北海道」をテーマに行った。坂場氏は、食料、観光、再生エネルギーの3つが生み出している地域を生産空間と位置付け、北海道は、9割が生産空間に位置付けられるとした上で、「人口減少によって都市経営のコンパクトシティ化が指向されているが、北海道は、生産空間に3分の1の人が住んでおり、本州とは違うアプローチが必要」と述べた。インフラの老朽化に関しても、「財政面からは集約した方が良いが、北海道は、人が住んでいなくても生産空間として土地利用が進んでおり、現状を踏まえた対策が必要になる」と話した。

 坂場氏は、国土を支えるインフラは、国民の貴重な資産であることを強調し、好きな言葉として経済学者、小泉信三の『平生の心がけ』から引用、《国土も国民自身によって造られるもの、造られたもの……国土の山川草木を受け取ったままの形で、子孫に遺すのは不真面目なこと。前代から受け継いだ好いものとして、これを次代に引き渡さなくては済まない》を紹介した。

 続いて、道銀地域総合研究所の土屋俊亮会長(前副知事)が、「第9期塾生の皆さんへの大きな期待」をテーマに講演。土屋氏は、組織には、石垣のように大きな石や小さな石が組み合わさった多様性が大事であることを示し、「塾生の皆さんは、それぞれの会社で多様性のあるチームを組成して、仕事の進捗管理をうまくやっていくことが務めになる」と話した上で、「塾の仲間を大切にしてほしい。仲間の存在があるから苦しいことも頑張って乗り越えられる」と訴えた。

 さらに、「皆さんは北海道を背負っていく方たち。想いと行動が経営を発展させ、地域を発展させ、北海道を元気にしていく。皆さんのチャレンジと学びに期待している」とエールを贈った。

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