マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が、大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも、数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2025年2回目は、中央区南3条西12丁目の「三和ビル」と「北海道教育会館」。
(写真は、「三和ビル」=上と「北海道教育会館」)
南3条通を西に向かい、石山通を横切ってしばらく行くと、札幌プリンスホテル国際館パミールがある。その向かい側にあるのが、「三和ビル」と「北海道教育会館」。国際館パミールは1999年に竣工し、今年で26年目になるが、「三和ビル」と「北海道教育会館」は、ともに1970年代に竣工したとみられ、半世紀以上が経過している建物。1972年の札幌冬期五輪に向けて、札幌の街並みが変わっていった当時の面影を残していたビル群だった。
「三和ビル」の解体工事は、2024年8月22日から始まっている。賃貸事務所と立体駐車場からなる敷地の所有者は、頻繁に変わり、2024年7月に大東プロジェクト(札幌市中央区)が取得した。解体工事を行っているのは、大光(同市東区)、工事期間は2025年2月28日まで。
「北海道教育会館」の解体工事は、2024年9月9日から始まっている。一般財団法人北海道教育会館が運営していた同会館は、老朽化のため解体され、建て替えられる。敷地は、北海道教職員組合が所有している。解体工事の注文者は北海道教育会館、解体業者は有限会社シバヤマ工業(札幌市北区)、解体工事は2025年5月31日まで。近隣では、中央区役所が新しく生まれ変わり、街の印象も大きく変わろうとしている。この界隈で、古き良き札幌の下町風情を醸し出していたスポットもまた、新しい時代をつくろうとしている。