胆振管内安平町は12日、セイコーマート(本社・札幌市)と災害時に食料や生活物資の供給を受ける災害協定を締結、安平町役場早来庁舎で瀧孝町長と丸谷智保社長が調印式を行った。同町はこれまで資材・機材、LPガス、飲料について7社・団体と災害協定を結んでいるが、食料と生活必要物資の供給に関してはセイコーマートが初めて。同町に5店舗のセイコーマートがあることなどがきっかけになった。(写真左は署名した災害協定書を持つ丸谷智保社長=左と瀧孝町長。写真左は安平町役場早来庁舎)
安平町は、過去に大きな地震や河川の氾濫といった大規模災害の経験がなかったが、東日本大震災以降、災害時の危機管理体制の整備を急いできた。今回、こうした災害協定の一環として災害時に被災者や避難民の食料、生活物資の供給体制を確保するためにセイコーマートと協定締結に至った。
調印式を行った瀧町長は、「行政だけでは食料や生活物資の供給には限界がある。災害は忘れたころにやってくると言うが、協定が活用されないことを祈りたい。万一の場合は対応をよろしくお願いしたい」と挨拶した。
丸谷社長は、「東日本大震災では当社の茨城県内で展開している約80店のセイコーマートが被害を受けたがどこよりも早く体制を整え、北海道から物資を送った経験がある。災害時には如何に早くロジスティクスを確立するかに関わっており、全道169市町村の店舗網と物流網を活かして災害が発生した場合には対応に当たって行きたい」と語った。
安平町には海がなく地震による津波被害は及ばないが、千歳市との境界には夕張まで続く馬追丘陵があり、断層帯の存在が確認されている。断層がずれることによる大地震の発生が起きれば大きな被害も予想され、それに備えるとともに海に面した周辺の厚真町やむかわ町が津波被害などを受けた場合のバックアップ拠点としての役割も果たしていく考え。
なお、セイコーマートは2006年12月に北海道と「災害時の物資供給等防災に関する協力協定」を締結、道内5市2町とも災害時支援協定を結んでいる。