ダイイチが札幌ブロック出店20周年、限定7店舗で「記念感謝品」セール実施

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 ダイイチ(本社・帯広市)が、札幌ブロックに出店してから今年7月で20年になった。それを記念して、札幌ブロック7店舗限定で「記念感謝品」セールを2024年7月31日(水)まで実施している。(写真は、「ダイイチ発寒中央駅前店」)

 ダイイチは、2004年7月に「八軒店」(札幌市西区)をオープン、札幌ブロックに進出した。当時の鈴木達雄専務(その後、社長に就いたが2020年11月辞任)は、札幌に常駐して札幌展開を主導したが、札幌に進出してきた理由について、「店舗がある帯広や旭川は、人口が減少傾向で市場も飽和状態。店舗進出する用地もない。それに比べて、札幌は人口が増え、市場が伸びているから」と語っていた。

 1号店の「八軒店」は、スーパーの出店場所として、立地環境が良くないという声もあったが、鈴木氏は「きちんと市場調査をして決めた。場所が悪いと言っているのは業界の素人。出店調査(類似環境店舗)の実績のもと出店を決めた」と自信を示していた。一方で、「帯広のスーパーが、札幌に進出するのは、本州府県のスーパーが東京に進出するのと同じ感覚。1店舗がだめだったら、2号店、3号店はない。札幌1号店を成功させなければならない」とも語っていた。

 札幌での知名度は低かったが、「八軒店」は、2年目で単年度収支で黒字になり、以降、2008年7月「白石神社前店」、2011年12月「発寒中央駅前店」、2013年11月「清田店」、2015年4月「恵み野店」、2021年11月「平岸店」、2023年11月「すすきの店」と20年間で7店舗を出店した。その間、2013年7月には、イトーヨーカ堂(本社・東京都千代田区)と資本業務提携を締結した。

「すすきの店」の出店に際して、若園清社長は「帯広発のスーパーマーケットというアピールをするよりも、札幌圏で育ててもらった札幌のスーパーという訴求をしていきたい」と話し、この頃から札幌ブロックでは、「札幌のダイイチ」というカラーを前面に打ち出すMD(販売政策)に転換した。

 2024年9月期第2四半期(2023年10月~2024年3月)決算の札幌ブロック7店舗の売上高は、82億5400万円(前年同期比15・5%増)となり、旭川ブロック7店舗の売り上げを超え、帯広ブロック9店舗の104億9300万円に近づいている。札幌ブロックでは、2024年秋に「千歳信濃店」(仮称)、2025年3月頃には「イトーヨーカドーアリオ札幌店」の食品売り場を承継して出店する。その結果、2025年9月期決算では、売り上げボリュームで帯広ブロックを超えることになりそう。

 現在、札幌ブロック7店舗で行われている出店20周年「記念感謝品」セールの打ち出し方は、どちらかというと抑制的。札幌のスーパーとして認知されてきたことの、ある意味で自信の表れと言えるかもしれない。

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