北海道新聞社(本社・札幌市中央区)は、2024年5月8日付朝刊紙面で、同年6月1日から朝刊の月ぎめ購読料(消費税込み)を3800円から4300円に値上げすることを正式に告知した。購読料の値上げは、2020年10月以来、3年8ヵ月ぶり。(画像は、購読料改定を知らせる道新の紙面)
値上げの理由について、同社は、国際情勢の不安定化や円安を背景にした新聞用紙代、電気代、インキ代、燃料代など原材料費のかつてない高騰を挙げている。それに対応して、合理化や業務効率化、経費削減に取り組んできたが、言論報道機関として、安定した新聞発行を続けていくためには、購読料の改定を読者にお願いせざるを得ないという判断に至ったとしている。
値上げに伴い、紙面の充実を行うことも示した。それによると、記事面を増やして特集や新コーナーをスタートさせ、ニュース面を中心に現在より約10%大きい文字を使用、より読みやすくするとした。また、朝刊購読者が、追加料金なしで利用できる道新デジタルについて、速報ニュース、専用記事を充実させるとしている。
道新デジタル単独の月ぎめ購読料3300円(消費税込み)は据え置く。なお、1人暮らしの学生を対象とした、学割月ぎめ購読料2500円(同)も変更しないと記している。この日の朝刊では、14面と15面の2面を使って新紙面の中身についても詳報している。道新は、新聞製作費の高騰を受け、2023年10月に夕刊を廃止、財務改善に向けた対策を講じた。今回の購読料値上げは、夕刊廃止でもコスト高を吸収しきれないことを示しており、経営の見通しが十分だったのかどうかの振り返りも必要となりそうだ。