札幌証券取引所は26日、個人投資家向け会社説明会を開催した。三井物産の執行役員CFO補佐兼経理部長の松原圭吾氏とエコミック社長の熊谷浩二氏がそれぞれ自社の業績見通しや投資計画を説明、約120人が耳を傾けた。(写真左は三井物産の松原圭吾執行役員、右はエコミックの熊谷浩二社長)
三井物産の松原執行役員は2014年3月期までの中期経営計画を説明。今期純利益は3100億円、14年3月期は4500億円を予想、3~5年後には5000~6000億円を目指し、ROE(株主資本利益率)12~15%とする考えを示した。
また、投融資計画について今期は8000億円、来期は6000億円を予定、中でも今期の注目案件としてモザンビークでの天然ガスプロジェクトを紹介、「18年から年間1000万tで生産を開始、これは発電能力100万キロワットのLNG火力発電所10基分に相当する」と語った。
説明後には集まった個人投資家から米国で生産が始まったシェールガスへの対応やTPP(環太平洋経済連携協定)の影響、円安効果などについて質問があった。
シェールガスについて、三井物産は米国ペンシルバニアでガス、テキサスではオイルの採掘に取り組んでいるほか、ルイジアナでは現地企業と共同でLNG輸入施設をシェールガス輸出用に転用、米国の許可を待っている状況を説明した。
また、TPPについて歓迎の意向を示しメリットは大きいと答えた。円安についても1円の円安で16億円の増益効果があると述べた。
続いてアンビシャス上場のエコミック熊谷社長が自社の取り組みを説明。給与計算アウトソーシングのニーズは、首都圏から近畿やその他の地方にも広がり始めていることを紹介、「北海道や中国青島で計算業務を行っているためコストメリットがあり同業他社からの発注もあるのが当社の強み。給与計算や年末調整業務などを外部にアウトソーシングする流れは強まるのは確実で、高品質・低価格のアウトソーサーとしてあらゆる企業のシェアードサービス(人事・総務・経理など間接業務を集約すること)を引き受ける会社を目指す」と将来展望を訴えた。
(※2013年3月2日記事一部修正)