高級食パン「嵜本」、大丸札幌店に続きイオンモール札幌発寒店も撤退

経済総合

 高級食パン専門店「嵜本」(さきもと)の北海道3号店だった「イオンモール札幌発寒店」(札幌市西区)が、11月30日で閉店した。「嵜本」は、9月30日に「嵜本ベーカリーカフェ大丸札幌店」(同市中央区)を閉店しており、北海道は「札幌南13条店」(同)の1店舗になった。(写真は、「嵜本・札幌南13条店」)

「嵜本」は、スイーツ専門店などを展開しているドロキア・オラシイタ(本社・大阪市西区)が直営・FC(フランチャイズ)で出店している高級食パン専門店。「極美」、「極生」などスタンダード食パンやオリジナルジャム「ジュエルジャム」などを製造・販売している。通常の食パンに比べて生地の量は約1・4倍あって、焼きたての時には自立できないほどの柔らかさが特徴。口当たりの軽さ、口溶けの軽さも特徴で、トーストにしても軽さが際立っているという。

 北海道の店舗は、サン・マネージメント(札幌市中央区)が、2019年10月5日に「札幌南13条店」をコンビニ店舗跡にFC(フランチャイズ)出店したのが最初。以降、同社は2020年6月2日に2号店「嵜本ベーカリーカフェ大丸札幌店」(大丸札幌店3階)、同年12月5日に3号店の「イオンモール札幌発寒店」(イオンモール札幌発寒1階)にオープンさせていた。

 2019年頃から始まった高級食パンブームは、2020年、2021年と市場を拡大して参入が相次ぎ、各社が店舗を増やしていったが2022年になってブームは一段落、店舗の閉店が目立つようになった。「嵜本」もこうした中で2店舗の閉店を余儀なくされた。

 高級食パン専門店の閉店が続いていることについて、ベ―カリープロデューサー岸本拓也氏は、「日常とギフト需要で高級食パンの裾野が広がったが、さまざまな業態の参入があれば市場原理で淘汰されていくことはある。日常性が(生き残りの)鍵になる」と話している。

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