「青天を衝け」と言えば現在放送中のNHK大河ドラマだが、この言葉がピッタリの光景があった。高さ100mはあろうかと思えるクレーンが、青天を衝かんとするように伸びていたからだ。(写真は、北24条大橋の工事現場で空高く伸びるクレーン)
ここは、札幌の宮の森・北24条通整備事業として進められている仮称「北24条大橋」の架設工事現場。平成25年度から始まった橋の建設工事は終盤を迎えている。長さ318・70m、幅員22・8mの橋梁は既に両岸まで架かっており、橋げたは孵化する前の蛹(さなぎ)のようにところどころ、シートでくるまれたり板で養生されたりしている。
その橋梁の真ん中あたりで、巨大クレーンが空高く伸びていた。その高さは優に100mはありそう。周囲に高い建物がないこともあって、遠くからでもクレーンを見ることができる。橋の架設工事は、ほとんど音がなくゆっくり進む。涼風が吹き、ヒバリのさえずりが遠くから聞こえてくるほどだった。
この橋の名前は、市民の公募によって「北24条桜大橋」と決まった。宮の森・北24条通と橋の東岸にある「豊平川桜の杜」(約1千本のエゾヤマザクラやソメイヨシノが植えられている)にちなんで付けられた。683作品の応募作から小学校2年生の男子と40代女性の2人の作品が選ばれた。
供用開始は令和4年度で、工事は残り1年。「青天を衝け」とばかりに高みを目指すクレーンは、9年間に及ぶ建設工事のドラマが終結に近づいていることを知らせている。