8月4日の「橋の日」に合わせて、豊平川に架かる36番目の道路橋「北24条桜大橋」が開通した。建設開始から11年、東区と白石区を結ぶ新たな橋の開通で、交通環境や地域環境が大きく変わることが期待される。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください。

(写真は、「北24条桜大橋」の開通式)
(写真は、開通式後に走り初めをする関係車両)

「北24条桜大橋」は、環状通の「環状北大橋」と札幌新道の「豊水大橋」の中間に建設された。宮の森・北24条通が豊平川で行き止まりとなっていたこともあって、「環状北大橋」と「豊水大橋」を渡る自動車は1日5万台を超えるなど渋滞が慢性化していた。このため、地元町内会は、1999年に渋滞解消や地域の連携を深めることを目的に、橋の建設を市に要望。

 市はこの要望を受け、技術的な検討や橋の袂の交差点での交通処理の検討を行い、2013年から工事に着手した。建設地点の川幅は約270mと広いため、札幌市では事例が少ない送出し架設工法が採用された。送出し架設工法は、橋桁となる鋼桁を送出して橋梁を据え付ける工法で、今回は全5回、1700tの鋼桁を140m送り出した。この工法では、送出し桁の先端に手延機(安全に送出すための機材)を取り付けて行うのが一般的だが、今回は送出し後に手延べ機を解体する場所が確保できないため、鋼桁の強度を高めて、手延べ機を使わない工法を採用した。この工法は全国的に珍しいという。

 さらに、橋脚の一つには札幌市で施工例が少ないニューマチックケーソン工法を採用。この工法は水中に函(ケーソン)を作り、その中に高圧の空気を送り込んで、水のない地上と同じ環境で作業を行うもの。函の大きさの分だけ河川の底を掘り進めば良いため、河川を堰き止めたりする必要がなく、環境にも優しい。
 2つの珍しい工法で完成した橋の長さは318・70m、両橋畔の取り付け道路を含めた総延長は1160m。道路幅は22・6m、歩道などを含めると29m。東区側の東苗穂から橋に向かうと、右カーブを描きながら橋を渡り、菊水元町側の南7条・米里通と繋がる。「北24条桜大橋」の名称は、公募数683点の中から選ばれたものだが、白石区側にある「豊平川桜の杜」から引用された。

 この日、橋上で行われた開通式で札幌市の秋元克広市長は、「10年以上の歳月をかけて完成したこの橋が、東区と白石区を結ぶ新たな大動脈となり、市内物流の効率化促進とともに両区の連携が活発になることを期待する。マチの新たなシンボルとして定着し、市民に長く愛されることを祈りたい」と挨拶した。

 続いて、施工者の代表として岩田地崎建設(本社・札幌市中央区)の岩田圭剛社長は、「全国でも例が少ない難易度の高い工事だったが、事故なく本日を迎えることができた。橋は暮らしに密着し、豊かな生活を支える重要なインフラ。人と人、地域と地域を繋ぐ架け橋として長く愛され続けることを祈る」と述べた。
 その後、関係者によるテープカットとくす玉割りが行われ、約100台が走り初めをして開通を祝った。同日15時から一般供用が開始された。
(写真は、東苗穂方向から望む「北24条桜大橋」)


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