2019年が間もなく終わる。新元号が始まる歴史的な節目の年で、北海道では新知事の誕生やラグビーワールドカップの札幌開催など話題にこと欠かなかった。社会的関心が高い出来事が多かったが、私たちの財布の紐は緩んだのか締まったのか。消費の行方が見通せない中、今年も開店したスーパーもあれば閉店したスーパーもあった。今回は2019年7月から12月までの下期分をまとめた。(写真は、「マックスバリュ深堀店」)
7月は12日に「コープさっぽろ しりうち店」(上磯郡知内町)がオープンした。町の要請に基づき土地や建物の支援を受けて出店した約200坪の店舗。店内には休憩所とデマンドバスの待合スペースが併設され、知内町産の木材を使った椅子やテーブルが設置されるなど木の香りが広がる空間となっている。コープさっぽろが自治体支援で出店した初のケースになった。
26日は「マックスバリュ深堀店」(函館市)がオープン。15年8月末にダイエーから引き継いだ「グルメシティ深堀店」を閉店、既存建物を解体してからほぼ4年ぶりに最新店舗を復活させた。店舗面積は約390坪で市街地対応の中型店と位置付け、足元商圏を固めるMD(販売政策)を採用している。
28日は、苫前郡羽幌町の「中央スーパー羽幌店」が閉店した。1983年2月に羽幌町内に出店してから店舗移転はあったが、町に溶け込んで36年目で営業を終えた。中央スーパー(本社・留萌市)は、6月に業務提携していた道北アークス(同・旭川市)との提携を解消、代わってコープさっぽろと業務提携を結んだ。羽幌町には「コープさっぽろ はぼろ店」があり、重複を避けた格好だ。
(写真は、閉店した「ルーキーいちまる店」)
31日は、河東郡音更町の「ルーキーいちまる」が閉店。マックスバリュ北海道(同・札幌市中央区)が承継した「いちまる」(同・帯広市)の店舗で79年に開店、約40年の営業を終えた。「ルーキーいちまる」のすぐ近くには13年11月3日に「ダイイチ音更店」がオープンするなど競争が激しくなっており、中規模の老朽化店舗では戦えないと判断した。なお、同店隣接地では「マックスバリュ」の新店舗を含んだ複合商業施設「木野タウン」の構想があり、「ケーズデンキ帯広音更店」が今年11月21日に先行してオープンしている。なお、十勝圏の「いちまる」屋号を持つ店舗は、「プラザ。いちまる清水店」(上川郡清水町)のみになった。
8月は猛暑で始まった。スーパーの開店、閉店の動きは少なく23日にダイゼン(本社・旭川市)がオープンさせた「DZマート美幌店」(網走郡美幌町)の1店舗のみとなった。平屋建てで売り場面積約223坪。16年6月に出店した「紋別店」(紋別市落石町)が好調なことから、同様の商圏人口のある美幌町に出店したという。「DZマート」は、旭川市内9店舗のほか名寄市、苫前郡羽幌町、枝幸郡枝幸町、富良野市、斜里郡斜里町、紋別市、紋別郡遠軽町と今度の店舗で合計17店舗になった。
(写真は、「DZマート美幌店」)
(写真は、オープンで賑わう「マックスバリュ若松店」)
9月に入ると、27日に「マックスバリュ若松店」(函館市)がオープン。JR函館駅から近く周辺にホテルが多い立地。市民の日常利用のほかインバウンド客も多く立ち寄ると見て、免税販売コーナーや外貨両替機を「マックスバリュ倶知安店」(虻田郡倶知安町)に次いで導入。また、商品に付いたバーコードをタブレット端末にかざすと外国語で商品紹介するシステムも店内に5つ用意した。店舗面積は約528坪で2階のイートインコーナーは約67坪、95席分。