公益財団法人太陽北海道地域づくり財団は10日、平成24年度の助成対象事業の発表と助成金目録の贈呈式を札幌グランドホテルで行った。今回の助成には、全道から85件の応募があり12月に19事業23団体が審査で選ばれた。助成金の合計額は1371万円。財団理事長の東原俊郎氏から各団体に目録が手渡された。(写真は、挨拶する東原俊郎理事長)
同財団が道内各地で地域づくりを担う団体等の事業に助成を始めたのは平成13年から。少子高齢化や過疎化で地域の活力が失われていく中で、道内に残る歴史的な遺産や地域のコミュニティを高めていく地道な取り組みを行っている団体等の事業に助成し、元気な地域づくりに貢献するのが目的。
これまでに189件の助成を行い、助成総額は1億5000万円を超えている。
今回の助成対象事業は、NPO(特定非営利活動)法人炭鉱の記憶推進事業団の「奔別立坑・周辺施設の解体回避に向けたプロジェクト」やくしろ高齢者劇団の「演劇『おじいちゃんと話そうよ』公演事業」、上ノ国町日本海グリーンベルト構想推進協議会の「日本海グリーンベルト構想」など19事業23団体。
中でも注目されるのが増毛の民話伝承会の「増毛の民話と影絵紙芝居の制作と公演」への助成。伝承会では、増毛町に古くから伝わる民話・伝説を広く後世に伝えていくために民話の紙芝居を制作し、町内外で公演を行っており15の民話のうち現在は3話まで制作が終わっている。財団では4話以降の制作と公演に助成するが、「増毛の歴史と未来を担う子供たちや多くの道民へ民話を伝承していただき、北海道の歴史的財産として残してもらえれば」と期待をこめている。
財団理事長の東原氏は、「助成によって、それぞれの皆さんがわがマチを愛する気持ちを形として実らせて欲しい。来年以降はもう少し予算を増やして北海道を愛する皆さんのお役に立ちたい」と挨拶した。
また、来賓の道総合政策部地域づくり支援局長の神姿子氏が、「財団の活動が、これからも様々な地域の活性化の芽を育てて大きく花開かせるよう期待したい」と述べたほか、社団法人地域経済総合研究所(東京)理事長の岡田康司氏も、「創造力が人間にある限りは永遠に成長する。助成対象になった皆さんの創造力、熱気、熱意がある限り、きっと成長を続けるでしょう。北海道は日本の原動力、中核になる力は十分にある」とエールを送っていた。