札幌市豊平区月寒東3条11丁目の複合商業施設「BRANCH札幌月寒」の核テナントとして入ることになった「スーパーセンタートライル月寒店」。10月下旬のオープンを控えスーパーとしては異例の多さとなるオープニングスタッフ160人を募集している。「通常のスーパーの倍以上。人手不足の昨今、果たして集められるのか」という声も出ている。(写真は、8月20日に北海道新聞に折り込まれたトライアルの求人チラシ)
「BRANCH札幌月寒」に入るスーパーはなかなか決まらなかった。周りには既にスーパーが多数出店しており新店の出店環境としては良くない。スーパーが決まらないままデベロッパーの大和リース(本社・大阪市中央区)は、2018年10月に着工。当初は19年4月プレオープン、6月グランドオープンだったが計画は遅れ、飲食店などが19年7月に先行してオープン、8月にはスポーツクラブや洋菓子店などがオープンした。そのころになってようやく「スーパーセンタートライアル月寒店」が入ることが明らかになり、同店はオープニングスタッフの募集を開始した。
募集に当たって掲げたのは時給1000円。24時間営業のため午後10時から午前5時は時給1188円で土日はさらにそれぞれ50円アップ。オープンの前後2週間の短期なら時給1300円などとなっている。しかも、レジスタッフや惣菜製造、陳列作業など160人という大量募集。
スーパー関係者によると、「一般的なスーパーならオープニング募集が80人程度、時給もせいぜい900円まで。募集人数といい、時給といい、通常のレベルを超えている」と話す。一般的には3ヵ月前から実店舗での研修を積んでからオープニングに備えるが、トライアルの場合は既にオープンまで2ヵ月。オープン前研修は約3週間で対応する考え。
流通関係者は、「昨今の人手不足の中、スーパー激戦区で大量募集をするには時給1000円超が一つの基準になりそうだ」と言う。ディスカウントストアのトライアルが、周辺で最も高い時給を保証せざるを得ないほど人手不足は深刻化している。