一般社団法人北海道信用金庫協会(増田雅俊会長=稚内信用金庫理事長)は、道内20信金の2018年度9月仮決算をまとめた。20信金合計の当期純利益は、88億1200万円で、前年度9月仮決算と比べて7・1%減少した。貸出金の中間期末残高は、前年に比べて0・8%の微減。貸出金減少は14年3月以来4年6ヵ月ぶり。(写真は、一般社団法人北海道信用金庫協会が入っている信金中央金庫ビル)
信用金庫業界は、信用金庫法上「中間決算」は行っていないが、中間期の経営状況を把握するため便宜的に仮決算として中間期の計数をまとめている。それによると、預金量は3~9月の平均残高で7兆4011億9800万円になり前年中間仮決算比1・3%増、貸出金の平残は、3兆570億4900万円で同0・6%増になった。平残ベースでの預貸率は41・30%で同0・27ポイント低下した。ただ、9月末の貸出金残高は同0・8%減少している。
有価証券の平残は、2兆3826億8400万円で同4・3%減。内訳は国債が同5・7%減、地方債が同7・0%減、社債が同10・6%減、逆に株式は同19・6%増えた。
収益面では、マイナス金利と業態間の金利競争によって貸出金利息収入が減少、有価証券利息配当金など経常収益も減少したことで、業務純益は同9・7%減の99億2300万円、純利益は同7・1%減の88億1200万円になった。
純利益ベスト5は、⓵旭川信金15億4400万円(同14・8%増)②帯広信金10億2800万円(同31・2%減)③苫小牧信金8億9500万円(同14・1%減)④北海道信金8億8700万円(同1・7%減)⑤稚内信金4億4100万円(3・5%増)。
20信金全体の9月末貸出金残高は前年比マイナスになったが、実に4年半ぶりの前年割れ。9月に発生した胆振東部地震と全域停電により企業活動が停滞したことを反映しているようだが、復興需要により貸出需要が増えるのが一般的。10月以降の貸出金推移が同様のトレンドだとすれば、地域経済変調の兆しと見ることもできる。