札幌市内で北光記念病院や時計台記念病院などを運営する社会医療法人カレスサッポロ(本部・札幌市中央区)が、北海道医療大学(石狩郡当別町)と進めていた地域医療連携推進法人の設立を取りやめた。8月1日に札幌市中央区のロイトン札幌で行われたカレスグループ関係者を集めた業績発表会で大城辰美理事長が明らかにした。(写真は、業績発表会で説明する大城辰美理事長)
地域医療連携推進法人は、社会医療法人や医療法人などが一般社団法人形式の「地域医療連携推進法人」を設立して、傘下医療機関が慢性期と急性期の病院、施設などの役割分担をすることによって地域包括ケアシステムの構築へ近づけようとするもの。
カレスサッポロと道医療大は昨年4月、地域医療連携推進法人の設立で基本合意、設立の準備を進めてきた。医療連携推進法人としては道内初で、社会医療法人と学校法人が地域医療連携推進法人を設立するのも全国で初めてとして注目を集めていた。
大城理事長は、断念した理由について「連携推進法人は課税法人。カレスと医療大は現在、非課税なのでメリットが少ない、また札幌市は3法人以上でなければ認めない方向のため」と述べたうえで、「今回は地域医療連携推進法人の設立は断念したが、包括的な連携協定を結ぶことで連携関係を強めていきたい」と話した。
なお、カレスサッポロの2017年3月期決算は、総収入が前期比5%減の98億9500万円、経常利益は同30%減の5億900万円の減収減益だった。今期は増収増益を見込み、経常利益は27%増の6億4800円を計画している。